2021-01-01から1年間の記事一覧

日本にブースター接種は必要か(4)

前回のブログでは、mRNAワクチンに誘導される抗体について検討しました。これまでmRNAワクチンによる抗体は、感染予防効果が90%以上であり、さらに重症化を防ぐ効果があるとされてきました。そして、抗体の効果は数年間持続すると言われていました。 しか…

日本にブースター接種は必要か(3)

前回のブログでは、ワクチン先進国であるイスラエルで行われている、ブースター接種について検討しました。 6月末から徐々に新規感染者が増え始めたため、イスラエル政府は7月30日からブースター接種を開始しました。その直後から、デルタ株による感染は急増…

日本にブースター接種は必要か(2)

前回のブログでは、世界中でワクチンの接種が進むなか、接種率が高い国で新型コロナ感染症が終息しているかどうかを検討しました。その結果、アラブ首長国連邦以外の国々、シンガポール、チリ、スペイン、韓国、カナダ、イタリア、フランス、イギリス、ドイ…

日本にブースター接種は必要か(1)

日本では新型コロナ感染症の第5波がほぼ終息していますが、新たな問題が浮上しました。南アフリカで、新しい変異株であるオミクロン株が確認されたのです。オミクロン株は従来株と比べて変異した箇所が多く、感染力がさらに強いと言われています。 オミクロ…

新型コロナの第5波はなぜ終息したのか(4)

これまでのブログで、インドとインドネシアで新型コロナ感染症の感染爆発が終息した理由を検討してきました。 両国で使用されたイベルメクチンは、感染拡大に一定のブレーキをかける役割を果たしたと思われますが、その効果は未だ未知数です。感染が終息した…

新型コロナの第5波はなぜ終息したのか(3)

前回のブログでは、新型コロナが感染爆発した後で急激に減少した、インドとインドネシアについて検討しました。両国ともピークアウト時のワクチンの接種率は数%で、感染者の減少に与えた影響は僅かだと考えられました。 それに対して、両国とも感染爆発時に…

新型コロナの第5波はなぜ終息したのか(2)

前回のブログでは、新型コロナウィルスの第5波について検討しました。 7月に入って日本で急速に広がり始めたデルタ株は、これまでにない急激な感染者の増大を来し、東京オリンピック・パラリンピックの開催さえ危ぶまれました。しかし、8月20日の感染者数(…

新型コロナの第5波はなぜ終息したのか(1)

11月1日に、全国の新型コロナウィルスの感染者(正確にはPCR陽性者)が84人にまで減少しました。ほんの2ヶ月半前の8月20日に2万5980人を記録したことに比べると、実に驚くべき減り方です。このような急激な減少を示した国は、わたしが知っている限りでは、日…

眞子さまは複雑性PTSDなのか(4)

10月26日に、小室眞子さんと小室圭さんが、都内のホテルで結婚記者会見を行いました。今回の会見は、前日の夜7時過ぎに「質問には文書で回答」と急遽変更され、当日はお二人の挨拶のみで、記者からの質問には答えないという異例な形式となりました。これは眞…

眞子さまは複雑性PTSDなのか(3)

前回のブログでは、複雑性PTSDの典型例について述べました。そして、宮内庁が発表した眞子さまの症状とはかなり異なることを検討しました。たとえば、複雑性PTSDの症状は、眞子さまにみられる「日常的に非常な苦痛を感じられることが多い」といった軽い症状…

眞子さまは複雑性PTSDなのか(2)

前回のブログでは、宮内庁が行った秋篠宮家の長女眞子さまと小室圭さんの結婚発表の中で、眞子さまが複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断されていたことを取り上げました。その会見で、精神科医の秋山剛・NTT東日本関東病院品質保証室長が述べた症状…

眞子さまは複雑性PTSDなのか(1)

宮内庁は10月1日に、秋篠宮家の長女眞子さまと小室圭さんの結婚発表を行いました。その中で、眞子さまが複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断されていたことを明らかにしました。 この突然の発表は、人びとを驚かせました。眞子さまと小室さんの結婚…

人はなぜ依存症になるのか 依存症をつくらない社会とは(4)

バブルが崩壊した後に、日本は新自由主義的な経済に舵を切りました。しかし、新自由主義は、日本の文化には合わない性質のものでした。新自由主義では、市場が経済を支配し、市場から導かれた判断が正義だと考えられました。社会にいかに貢献したかではなく…

人はなぜ依存症になるのか 依存症をつくらない社会とは(3)

前回のブログでは、資本主義から宗教的な思想が失われ、貨幣が神の代わりになっていった経緯を概観しました。 貨幣が神の代わりになると、財・サービスが取引されて価格が決定される市場が経済を支配し、市場から導かれた判断が正義だと考えられるようになり…

人はなぜ依存症になるのか 依存症をつくらない社会とは(2)

前回のブログでは、現代の資本主義の問題について検討しました。現代の資本主義は、「国や社会が豊になる」「人々が幸せになる」ことが目的ではなくなり、「特定の個人が豊かになる」「多くの金を得る」ことが目的になりました。その結果として、少しでもた…

人はなぜ依存症になるのか 依存症をつくらない社会とは(1)

オリンピックの話題で中断していましたが、今回のブログから再び依存症の問題に戻りたいと思います。 前回7月4日のブログでは、資本主義と依存症の関係について検討しました。資本主義経済では、リピーターをいかに多く作るかが成功の鍵になります。リピータ…

東京五輪はなぜ無観客になったのか 東京五輪を潰そうとした人たち(4)

前回までのブログで指摘したように、東京五輪を潰そうとしたマスコミや政治家、そして医師たちには、国民の健康と命を守るという反論できない正義を唱えながら、行動においては「自分たちのことしか考えていない」という共通点がありました。 東京五輪を潰そ…

東京五輪はなぜ無観客になったのか 東京五輪を潰そうとした人たち(3)

前回のブログでは、東京五輪を潰そうとした人たちの心理を分析するために、朝日新聞と日本医師会を取り上げました。両者は、国民の健康と命を守るという大義のために東京オリンピックの開催に反対してきましたが、その後の行動をみていると、実は自分たちの…

東京五輪はなぜ無観客になったのか 東京五輪を潰そうとした人たち(2)

前回のブログでは、東京五輪を潰そうと日夜努力を続ける人たちに言及しました。そこには共産党や立憲民主党といった野党や、テレビや新聞などの主要なマスコミから、五輪に反対の識者や芸能人がいました。さらには、開会式にまで押し寄せて五輪反対のデモを…

東京五輪はなぜ無観客になったのか 東京五輪を潰そうとした人たち(1)

東京五輪は大きなトラブルを起こすことなく、大盛況のうちに幕を閉じました。大会が無事開催されたのは、大会関係者をはじめ、全国から集められた警察官、サイバー攻撃に対するセキュリティースタッフ、医療関係者、一般のボランティアなど、様々な人たちの…

東京五輪はなぜ無観客になったのか(番外編) アスリートたちが日本を救った

東京五輪は8月8に閉会式を迎え、19日間にも及ぶスポーツの祭典に幕が閉じられました。日本選手の活躍もあって、大会は大いに盛り上がりました。選手たちは口々に、大会を開催してもらえたことに対して感謝の言葉を述べました。 しかし、本当に感謝をしなけれ…

東京五輪はなぜ無観客になったのか 見えない影に怯える人たち(4)

日本はこれまで、新型コロナウィルス感染症に対して感染を急拡大させることなく、諸外国に比べればさざ波程度の拡大に留めました。そして、超過死亡率がマイナスになるほどまで、死亡者数を抑えてきました。 ところが日本でも、これまでにない感染の急拡大が…

東京五輪はなぜ無観客になったのか 見えない影に怯える人たち(3)

前回のブログでは、イギリスやアメリカがスポーツの観戦を始め、日常生活の制限を解除した理由を検討しました。EURO2020(サッカー 欧州選手権)やウィンブルドンテニス、さらに全英オープゴルフを有観客で開催したイギリスでは、連日5万人を超える感染者(…

東京五輪はなぜ無観客になったのか 見えない影に怯える人たち(2)

前回のブログでは、東京五輪が無観客で行われることが正しいのかという問題提起を行いました。なぜなら、同時期に30倍の感染者数を出しているイギリスではUEFA EURO2020(サッカー 欧州選手権)やウィンブルドンテニスが、4倍の感染者数を出しているアメリカ…

東京五輪はなぜ無観客になったのか 見えない影に怯える人たち(1)

7月8日に、東京五輪を無観客で開催することが決定されました。 新型コロナウィルスの感染拡大を受け、日本政府は4回目の緊急事態宣言を発令し、それに伴って東京五輪は首都圏の会場では無観客で行われることが決定しました。この決定は、本当に正しかったの…

人はなぜ依存症になるのか 依存症をつくる人たち(2)

前回のブログでは、摂食障害の過食症を例に挙げて、食べ物依存ともいえる状態が、利便性を追求するコンビニや薬の量販店の普及、さらにはインターネットによる情報の共有によって社会に広がってゆく過程を検討しました。 今回のブログでは、さらに、資本主義…

人はなぜ依存症になるのか 依存症をつくる人たち(1)

これまでのブログでは、人がなぜ依存症になるのかを、スマホを例に挙げて検討してきました。 今回からのブログでは、依存症をつくる側の人たち、つまり人を依存症に陥れる役割を果たす側の人たちについて検討したいと思います。 数字が至上価値となる現代 資…

人はなぜ依存症になるのか 移行対象としてのスマホ(4)

前回のブログでは、児童期に移行対象として使用されるようになったスマホについて、その役割を検討しました。 児童期からスマホを使うようになった現代では、子どもはスマホで遊び、スマホを通して他者と関わりを持ちます。その際にスマホは、便利な機能によ…

人はなぜ依存症になるのか 移行対象としてのスマホ(3)

前回のブログでは、移行対象の前段階であるイリュージョンについて検討しました。母親が赤ちゃんから離れる時間が増えると、それを補うように赤ちゃんの精神世界には母親のイリュージョンが形成されます。 母親の不在が比較的短時間であれば、母親のイリュー…

人はなぜ依存症になるのか 移行対象としてのスマホ(2)

前回のブログでは、乳幼児期の精神発達を理解するために、ウィニコットが提唱した「移行対象」について述べました。移行対象は、母親の不在を埋め、母親との一体感を蘇らせる役割を果たします。移行対象はさらに、お母さんの身体の感触が置き換えられたタオ…