眞子さまは複雑性PTSDなのか(4)

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 10月26日に、小室眞子さんと小室圭さんが、都内のホテルで結婚記者会見を行いました。今回の会見は、前日の夜7時過ぎに「質問には文書で回答」と急遽変更され、当日はお二人の挨拶のみで、記者からの質問には答えないという異例な形式となりました。これは眞子さんが、「複雑性PTSD」の診断を受けていることへの配慮からという理由でした。

 今回のブログでは、この会見内容について検討したいと思います。

 

圭さんはかけがえのない存在

 小室圭さんとの結婚について、眞子さんは次のように述べました。

 

 「さまざまな考え方があることは承知しております。ご迷惑をおかけすることになってしまった方々には大変申し訳なく思っております。また、私のことを思い静かに心配してくださった方々や、事実に基づかない情報に惑わされず変わらずに応援してくださった方々に感謝しております。私にとって、圭さんはかけがえのない存在です。そして私たちにとって結婚は、自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択でした」

 

 眞子さんにとって、自身の結婚に対する今回の騒動は、「事実に基づかない情報に惑わされた」人びとによって引き起こされたのだと感じたのでしょう。この点については後で検討したいと思います。

 それはともかく、眞子さんが多くの反対の声があったにもかかわらず結婚に踏み切ったのは、「私にとって、圭さんはかけがえのない存在」であり、結婚が「自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択」だったからだと述べています。

 一人の女性の思いとして、眞子さんの選択は決して理解できないものではないと思います。この点を非難することはできないでしょう。

 ただ、一般の女性であっても、家族や親族の理解と賛同は、その後の人生を円満に送るために必要になります。ましてや眞子さんは皇族だったのですから、秋篠宮家はもちろん、天皇、皇后両陛下をはじめ、国民の理解や賛同を得ることは必要だったのではないでしょうか。

 眞子さんの発言からは、自分の思いは伝わってきますが、皇室や秋篠宮家、そして国民に対する思いは、残念ながら伝わってきませんでした。

 

圭さんが独断で動いたことはありません

 眞子さんは、圭さんの行動については次のように述べました。

 

 「本日まで私が公に発言する機会は限られてきました。そのために生まれてしまった誤解もあったと思います。一部の方はご存じのように、婚約に関する報道が出て以降、圭さんが独断で動いたことはありませんでした。例えば、圭さんのお母さまの元婚約者の方への対応は私がお願いした方向で進めていただきました。圭さんの留学については、圭さんが将来計画していた留学を前倒しして海外に拠点をつくってほしいと私がお願いしました」

 「留学に際して私は一切の援助をできませんでしたが、圭さんが厳しい状況のなか努力してくれたことをありがたく思っております」

 

 眞子さんは、圭さんの母親の元婚約者への対応や、圭さんの留学、海外に拠点を作ることなどは、自分が圭さんに頼んで行ってもらったと述べました。

 この発言は、非難に晒され続けてきた圭さんを庇うために行ったのでしょうか。そうであれば、妻に庇ってもらっている圭さんは男として情けないように思います。それはともかく、この発言からは、眞子さんは決して受け身的でなく、自分の思いを実現するために積極的に行動していることが窺われます。

 複雑性PTSDで精神が病んでいる状態では、通常はこうした長期的な視野に立った、積極的な行動をとることは難しいと考えられます。自尊心を失い、他者を信頼できない状態では、現在の苦しみに耐えかねて、過去に囚われたままの状態になるからです。

 つまりこの発言からは、眞子さんが複雑性PTSDである可能性が低いことが分かります。

 

母はドクターストップがかかっています

 一方、小室圭さんは、国民から疑念を持たれている点について、次のように語りました。

 

 「わたしの母と元婚約者の方との金銭トラブルと言われている事柄について、詳しい経緯は本年4月に公表したとおりです。元婚約者の方には、公表した文書でも書いたように、これまでも折に触れて、わたしとわたしの母からお礼を申し上げており、今も感謝しております。本年4月に解決金をお渡しすることによる解決をご提案したところ、母と会うことが重要であるというお返事をいただきました。

 しかし、母はドクターストップがかかっています。そのため私が母にかわって対応したいと思い、母の代理人弁護士を通してお伝えました。元婚約者の方からは、窓口となっている週刊誌の記者を通じて前向きな返事をいただいています。解決に向けてわたしができる限り対応したいと思います。解決金を受け取っていただきたいという気持ちはかわっていません」

 

 圭さんの母親と元婚約者の金銭トラブルとは、母佳代さんが、圭さんの大学の費用などに関して元婚約者から約400万円の提供を受けており、これが贈与か貸与かで双方の認識が食い違っていることです。圭さん側は当初はこのお金は贈与であるとして、一旦は解決金を支払わない意思を表明しましたが、すぐに前言を撤回し、解決金を支払う姿勢を示しました。しかし、元婚約者によれば、いまだに解決金は支払われていないということです。

 佳代さんには、金銭トラブルとは別に、2つの不正受給疑惑も浮上しています。1つは遺族年金です。佳代さんは2002年に夫を亡くし、その直後から遺族年金を受給しましたが、事実婚の相手がおり、受給資格が無かったというものです。もう1つは傷病手当です。佳代さんは2018年から適応障害を理由に勤務先を休み、傷病手当をもらっていたものの、その間に別の場所で働いていたというものです。

 圭さんの説明は、これらの疑惑について、理解を得られるものではなかったでしょう。そればかりか、圭さんの母親がかつて「適応障害を理由に勤務先を休んだ」ことや、今回も「ドクターストップがかかって元婚約者に会えない」ことなど、精神疾患を利用して利益を得ているとしか思えないような経緯が明らかになっています。もしそうであるなら、精神医療に携わる者の一人として非常に残念です。

 

誹謗中傷によって眞子さんと母が病気になった

 小室圭さんは、次のようにも述べています。

 

 「この数年間、誤った情報があたかも事実のように扱われ、誹謗中傷が続いたことにより眞子さんが心身に支障をきたしたことを、とても悲しく思います。わたしの母も心身に不調をきたし、仕事を辞めざるをえない事態にまで追い込まれましたし、身の危険を感じながら過ごしています。このような苦しい状況にあった、わたしたちを助けてくださった多くの方々に、大変感謝しております」

 

 圭さんは、先に述べたような疑惑が「誤った情報」であると断言します。そうであれば、今回の会見でも正しい情報をきちんと伝え、疑惑が間違っていることを証明する努力が必要だったでしょう。

 さらに彼は、国民からの疑念を「誹謗中傷」と決めつけ、そのことによって眞子さんや自分の母親が心身の不調を来したと訴えています。母親に至っては、仕事を辞めざるを得なくなったばかりか、身の危険を感じて生活していると主張しています。

 確かに、疑惑に対して過剰に反応して攻撃をする人もいたかも知れません。そうした人たちを非難する権利は、圭さんには当然あるでしょう。

 しかし、そういった過激な一部の人間を除けば、多くの国民はもっと冷静にこの疑惑を見ていたのではないでしょうか。なにせ、ことは皇族が関わる出来事です。疑惑がもし本当であれば、皇室の尊厳を貶めかねません。それは、日本の国体の根幹に関わる事態です。

 そうした心配を、十羽一絡げにして「誹謗中傷」と括ってしまったことに、わたしは非常に違和感を感じました。

 

二人で力を合わせて共に歩いていきたい

 眞子さんは、会見の最後を次のように締めくくりました。

 

 「私たちは2人で新しい生活を始めることになります。これから生きていく中で、また違った形での困難があると思います。しかし、これまでもそうであったように、2人で力を合わせて共に歩いていきたいと思っております。これまで私たちが自分たちの心に忠実に進んでこられたのは、お互いの存在と、励まし応援してくださる方々の存在があったからです。

 いま、心を守りながら生きることに困難を感じ、傷ついている方がたくさんいらっしゃると思います。周囲の人の温かい助け合う支えによって、より多くの人が心を大切に守りながら生きていける社会となることを心から願っております」

 

 これは眞子さんの、結婚後の人生に対する決意表明でしょう。圭さんと二人で力を合わせて、困難を乗り越えて行きたいという強い決意が感じられます。それは素晴らしいことですし、今後は一人の女性として幸せになっていただきたいと思います。

 ただ、最後に眞子さんに願っていただきたいのは、「心を守りながら生きることに困難を感じ、傷ついている方がた」の幸せや、「周囲の人の温かい助け合う支えによって、より多くの人が心を大切に守りながら生きていける社会」の実現ではありません。

 眞子さんには、全ての日本人の幸せや日本社会の安寧を願っていただきたかった。そして、そのためには何よりも皇室への尊崇の念と、皇室が永久に続くことを願う思いを表明していただくことが大切だったのではないでしょうか。(了)