2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

人はなぜわが子を虐待し、殺してしまうのか(7)

前回までのブログで、ヨーロッパにおいて、近代化によって母性文化が消退した経過をみてきました。その結果として、母親が育児に関心を示さなくなり、多くの子どもが里子に出され、満足な育児を受けられずに放置されていたことを指摘しました。そして、母性…

人はなぜわが子を虐待し、殺してしまうのか(6)

宗教改革以降、母性神話を支えていた聖母マリア信仰が消退し、それに伴って西洋社会から母性文化が失われて行きました。母性文化が失われた西洋社会では、母親が育児に無関心になり、多くの子どもが里子に出されたり満足な育児を受けられずに放置されました…

人はなぜわが子を虐待し、殺してしまうのか(5)

前回のブログでは、18世紀のヨーロッパでは、母性文化が消退して母親が子育てに無関心になり、多くの子どもが里子に出されていたことを指摘しました。そして育児放棄が公然と行われ、乳幼児の死亡率が非常に高かったことも取り上げました。 そこで18世紀後半…

人はなぜわが子を虐待し、殺してしまうのか(4)

前回のブログでは、近代化によって、ヨーロッパの女性及び母性文化が大きな打撃を被った過程を概観してきました。 今回のブログでは、母性文化の消退が、子育てに及ぼした影響について検討したいと思います。 子育ての放棄 近代の幕開けと共に、ヨーロッパ社…

人はなぜわが子を虐待し、殺してしまうのか(3)

前回のブログでは、人間の子育てでは、親子が離れ、子が仰向けで安定していられることが特徴であるという松沢哲郎氏の説を紹介しました。 親子が離れることによって、赤ちゃんは泣いたり笑ったして親に自分の状態を伝える必要が生じ、それが後に言葉によるコ…

人はなぜわが子を虐待し、殺してしまうのか(2)

前回のブログでは、子を虐待すのは人間だけであることを指摘し、加えて哺乳類の子育ての進化についても検討しました。 今回のブログでは、哺乳類と比較した、人間の子育てについて検討したいと思います。 哺乳類としての人間の子育て 前回のブログで、松沢敏…