超過死亡数が過去最高を更新しているのはなぜか(5)

 大相撲夏場所が名古屋で開催され、連日熱戦が繰り広げられています。テレビ中継を観て気づくことは、観客の皆さんの多くがマスクをしなくなっていることです。マスクをしているのは、ざっと1~2割と言ったところでしょうか。新型コロナ感染症への過剰な恐怖心が薄れてきた例証と考えられ、それはそれで実に喜ばしいことです。

 しかし、新型コロナ感染症は、現実には増加してきています。

 以下は、定点把握から推計した新型コロナ感染症数の推移です。

 

                 図1

 

 図1のように、新型コロナ感染症の1医療機関当たりの平均患者数は、6月以降着実に増加しています。

 青色の棒グラフは、2022年10月から2023年5月7日までの「第8波」を含む感染状況のデータを、「定点把握」で集計し直したものです。第8波に匹敵するような「第9波」が現れるのか、今後の状況を注視していく必要があります。

 新型コロナ感染症の第9波が訪れた場合に備えて、これまでのようにヒステリックに過剰反応するのではなく、今度こそ冷静に対応することが重要です。そのためにも、2022年に超過死亡数が過去最高を更新した理由を、今から客観的に検討しておくことが求められます。

 

超過死亡数が減少している

 2022年の超過死亡数は11万9,157人で、戦後最高を記録しました。では、2023年はどうでしょうか。

 以下は、『日本の超過および過少死亡数ダッシュボード』で示された各週ごとの超過死亡数の推移です。

 

                 図2

 

 図2のように、2022年は1年を通して超過死亡数の増加が見られました。特に12月から2023年1月にかけては、これまでにない超過死亡数の増加が認められました。

 しかし、2月以降は超過死亡数の増加は見られなくなり、4月の最終週は、超死亡数がマイナスに転じています。超過死亡数がマイナスに転じているとは、過少死亡になっている、すなわち例年よりも死亡者数が少ないことを意味します。これはワクチン接種が開始される以前の、2020年の11月以来の出来事です。

 この喜ばしい結果は、今後も続いていくでしょうか。

 

ワクチン接種との関連は

 超過死亡数の動向を推察する上で重要な指標になるのが、ブースター接種の接種回数です。

 以下は、超過死亡数と延べブースター接種率(人口100人当たりの追加接種回数)の推移を比較したグラフです。

 

                   図3

 

 図3のように、超過死亡数の増加は、ワクチンのブースター接種の増加と同時かやや遅れて現れていることが分かります。

 この傾向から推察すれば、2023年の2月から増加死亡数が減少に転じ、4月末にはマイナスに転じたのは、2月以降ワクチンを接種していないからだと考えられます。

 もしそうだとすれば、せっかくマイナスに転じた超過死亡数は、再び増加してしまうことが予想されます。なぜなら、日本は5月8日から、6回目のワクチン接種を開始してしまったからです。その結果は、間もなく明らかになるでしょう。

 

超過死亡数の原因を分析する

 『日本の超過および過少死亡数ダッシュボード』には、疾患別の超過死亡数が、2022年12月まで示されています。その結果によって、超過死亡の原因についても検討してみましょう。

 以下は、新型コロナ感染症以外および疾患別の超過死亡数を、2021年と2022年で比較したものです。

 

                  図4

 

 図4のように、新型コロナ感染症以外の超過死亡数は、2021年の3万5,938人から2022年の8万8,245人へと、5万2,307人も増加しています。

 『日本の超過および過少死亡数ダッシュボード』によれば、超過死亡数全体では、2021年が5万1,854人で2022年が11万9,157人であり、その差は6万7,303です。つまり、2022年に超過死亡数が増加した内訳で、新型コロナ感染症以外の死因が(52,307÷67,303×100≑)77.1%を占めているのです。このことから、戦後最高を記録した2022年の超過死亡数の大幅な増加は、新型コロナ感染症以外の要因で生じていることが分かります。

 では、その要因は何が考えられるでしようか。

 図4から分かるように、増加率が高いものは、呼吸器系疾患(193.9%)、循環器系疾患(105.1%)、その他(338.4%)です。その他の中には、日本人の死因で悪性新生物、心疾患、老衰に次いで第4位である脳血管疾患が多くを占めていると推察されます。したがって、2022年になって、呼吸器系疾患、循環器系疾患、脳血管疾患による死者が急増していると考えられるのです。

 

ワクチンの影響は

 そもそも、ワクチン接種が始まっていなかった2020年には、超過死亡数は-3万5,032人でした。つまり、2022年は新型コロナ感染症の流行が始まっていたにも拘わらず、日本では例年より3万5千人も死者が減少していました。それが、ワクチン接種が始まった2022年になると、いきなり5万1,854人もの超過死亡数が生じました。これだけでも、超過死亡数が激増した原因は、ワクチン接種にあることが推察できるでしょう。

 ここではさらに、2021年と2022年の次の二つの期間に焦点を当てて、ワクチンの影響を検討してみましょう。

 その期間は、A期(2021年の1月から5月まで)と、B期(2022年の8月から12月まで)のそれぞれ5ヶ月間です。この二つの期間には、次のような特徴があります。

 

A期(2021年1月~5月):新型コロナ感染症の第3波と第4波によって感染拡大が繰り返される一方で、ワクチンはまだほとんど接種されていなかった時期(5月31日時点の2回接種率3.2%)。

B期(2022年8月~12月):新型コロナ感染症の第7波と第8波によって感染拡大が繰り返され、ワクチンの延べブースター接種率(人口100人当たりの追加接種回数)が75.9%から133.1%に急増した時期。

 

 A期はワクチンがほとんど接種されていなかった時期、B期はワクチンの追加接種が急速に進められていた時期です。両時期の新型コロナ感染症以外の超過死亡数を比較することで、ワクチン接種が超過死亡に与えている影響がより鮮明になると考えられます。

 以下は、A期とB期の超過死亡数を比較した結果です。

 

                  図5


 まず、A期とB期の新型コロナ感染症以外の超過死亡数を比較してみると、8,916人から4万2,447人に増加していることが分かります。すなわち、ワクチン接種が始まる前と追加接種が行われた後では、超過死亡数が5ヶ月間で3万3,531人、1ヶ月当たりでは6,706人も増加しているのです。

 これは、本当に恐ろしいことだと思いませんか。

 

呼吸器疾患、脳血管疾患、老衰、循環器疾患が急増

 では、その内訳をみてみましょう。

 A期とB期を比較して、特に増加率が著しいのが呼吸器疾患(8,581.0%増)とその他(8,073.3%増)です。その他の中で脳血管疾患が多くを占めると仮定すると、ワクチンの追加接種によって、呼吸器疾患と脳血管疾患が急増していることが推察されます。

 これらに次いで増加が著しいのが、老衰(148.5%増)と循環器疾患(118.9%増)です。ワクチン接種によって循環器疾患による死亡が増加していることはこれまでに指摘されていることですが、老衰が増加しているというのは不思議な話です。

 以前のブログでも紹介しましたが、村上康文東京理科大学名誉教授は、『【東北有志医師の会 最新動画】ストップ!コロナワクチン定期接種!』の中で、ワクチンの追加接種によって肺炎以外の死亡の割合が増えていき、コロナ死ではない死亡が増えていくと予想しています。特に高齢者では、症状が現れないまま、そして原因がわからないまま亡くなることが起こります。これは老衰として扱われるだろうと、村上氏は指摘しています。超過死亡数の要因の中で老衰が増えているという事実は、村上氏の予想を裏付ける結果であると言えるでしょう。

 

日本人を人体実験の対象にする

 以上の四つの要因は、かねてからmRNAワクチンの副作用として指摘されてきたものです。mRNAワクチンの追加接種は、日本人の超過死亡数をこれ程までに増やしていることが明らかになってきています。

 それにも拘わらず、政府自民党は6回目の接種を開始し、秋には7回目の接種を行おうとしています。

 それだけではありません。福島県南相馬市ではmRNA医薬品製造工場が建設され、この工場では、全世界を対象にmRNAワクチンや治療薬の原薬が製造されようとしています。さらに「レプリコンワクチン」と呼ばれる、接種後に抗原タンパクをコードするmRNAが細胞内で複製され、持続的に抗原タンパクが作られるワクチンの製造が検討されています。

 前回のブログで指摘したように、mRNAが細胞内で複製され続けば、現在のmRNAワクチンで出現している副作用がさらに増強して現れることが容易に想像できます。このように危険なワクチンが緊急承認されれば、日本が再び「新たなワクチンの人体実験場」として利用されることになるでしょう。

 

 政府自民党は、「異次元の少子化対策」と銘打った政策を喧伝している一方で、ワクチン接種を繰り返すことによって、本当は日本の人口を削減しようと目論んでいるのでしょうか。

 皆さんはまさかと思われるでしょうが、政府のワクチン行政をみていると、そうとしか考えられないのです。(了)