なぜ保守は、左翼の分断工作に踊らされてしまうのか

 昨日(11月13日)、実に嫌なものを観ました。あまりに気味が悪く、そして同時に腹が立ったので、今回のブログは予定を変更して、この「おぞましきもの」について語りたいと思います。

 

 それはお年寄りが二人して、ある政党とその若い党首をこき下ろす内容を、社会に向けて発信している動画です。

 具体的に言いましょう。

 百田尚樹チャンネルで、武田邦彦氏と百田尚樹氏が、参政党とその代表である神谷宗幣氏を徹底的にこき下ろしていたのです。

 

                    『百田尚樹百チャンネル』より

 

武田氏と百田氏の参政党批判

 武田邦彦氏と言えば、最近まで参政党のアドバイザーとして、全国的に活躍してきた党の重鎮です。昨年の参院選では、参政党で選挙に出馬し、当選した神谷宗弊氏に継ぐ票を獲得したことでも知られています。

 武田氏は、党の運営方法を巡って執行部と対立して参政党をやめました。その不満を、日本保守党を立ち上げてその党首となった百田氏と語り合ったのです。

 武田氏の語った内容は、百田氏のツッコミによってより過激になりました。

 

・参政党は共産党と同じ組織を目指しており、神谷氏の独裁になっている。

・武田氏は票の少ないところで演説させられた。神谷氏は大票田のある場所で演説しており、それは神谷氏を当選させるためだった。神谷氏も自分が当選したかったのだ。

・参政党は知らないうちに規約を作って、それに従わせている。誠意のある人は嫌になってやめている。

・ヒラの党員は、一つ上の立場の者にしか意見を言ってはいけない。まさに階級社会で、組織的には共産党と同じだ。

・党費が高く、しかもお金を正しく使っていない。

・当選した人の公認を、理由も明かさず取り消した。まさに暗黒組織だ。

・神谷氏は何人かと不倫をしている。

・武田氏が参政党に騙されたのは、インチキ超能力者が物理学者を騙すのと同じ構図だ。

 などなど・・・。

 

左翼が喜ぶだけなのに

 つい最近までアドバイザーだった参政党と、同志だった神谷氏を、よくここまでこき下ろせるものだとわたしは気味が悪くなりました(かわいさ余って憎さ百倍なのかも知れませんが)。そして、武田氏の言葉に大げさに驚いてみせ、それを煽って参政党と神谷氏を嬉しそうに非難する百田氏には、本当に腹が立ちました。

 失礼な物言いをして恐縮ですが、このやりとりを見てわたしには、百田氏は日本を委ねられる器ではないことがよく分かりました。

 日本が危機的な状況にあるまさにこのときに、日本を守ろうと懸命に頑張っている保守の政党を、あからさまに批判し、笑い飛ばして何になるというのか。そんなことをして喜ぶのは、左翼の人たちだということも分からないのでしょうか。

 

党首としての自覚はあるのか

 わたしは、作家として、そしてユーチューバーとしての百田尚樹氏の大ファンです。『永遠のゼロ』『海賊と呼ばれた男』『カエルの楽園』『今こそ韓国に謝ろう』『禁断の中国史』『日本国紀』はわたしの愛読書です。百田尚樹チャンネルは会員登録して、欠かさず観ています。日本保守党を立ち上げてからの演説も、YouTubeで楽しんで観てきました。

 百田氏は、評論家としては一流なのでしょう。しかし、政治家として、または政治家を育てる立場の人間になるのであれば、他党や他党の政治家を批判しているだけでは済まされないはずです。批判だけでなく、広い視野をもって政策を実現させる立場になっていることを、くれぐれも忘れないで欲しいと切に願います。

 繰り返しますが、百田氏はもはや政治評論家ではなく、保守層からの期待を集めている政党の党首だという自覚を忘れないでいただきたいのです。

 

手段を選ばない左翼の攻撃

 共産主義者たちが、歴史や国を超えて、共通して貫いている行動原理をご存じでしょうか。

 それは、

 「崇高な目的を達成するためには、どのような手段を用いることも許される」

 という行動原理です。

 「崇高な目的」とは、「共産主義社会を実現する」とか、「差別をなくして平等な社会を目指す」などですが、そのためには戦争を起こそうが、自国民を大量に虐殺しようが構わないということです。いちいち例を挙げるまでもなく、共産主義を目指した国々で、多大な犠牲者が出ていることからもそれが分かるでしょう。

 この恐ろしい行動原理は、左翼の人たちに共通しています。アメリカでは民主党に入り込んだ左翼が、先の選挙で郵便投票を使って票の操作を行い、バイデン大統領を誕生させたことが指摘されています。不自然な票の増加が、”バイデンジャンプ”と揶揄されたことを覚えておられる方もいるでしょう。さらに、米大統領選の結果認定を進めていた連邦議会の議事堂に、トランプ大統領の支持者らが「乱入」して4人の死者を出した「アメリカ合衆国議会議事堂襲撃事件」によって、トランプ大統領は弾劾訴追されました。この事件も、逮捕されたトランプ支持者の男性が、警察に誘導されながら平和的に議事堂に入る映像が公開されて、事件の真偽が議論されています。

 日本も例外ではありません。LGBT法案が自民党から提出されて成立したように、自民党内にも左翼の影響が及んでいることが分かります。

 このように、保守を潰すためには、左翼はどのような手段を使うことも厭わないのです。わたしは、現在の参政党の内紛とゴレンジャーの分裂には、左翼による情報戦が仕掛けられたのではないかと疑っています。

 もしそうだと仮定すれば、参政党のゴレンジャーたちは、見事にこの情報戦に踊らされていたことになります。そして、百田日本保守党党首も、左翼による保守の分断工作に間接的に操られていることになるでしょう。

 

明日は我が身と知るべし

 左翼による分断工作などお前の被害妄想にすぎない、と言われるかも知れません。しかし、すでに百田氏の身の回りにも、同じようなことが起こりつつあります。

 11月11日に、日本保守党が大阪・梅田で行った街頭演説では、非常に多くの聴衆が集まり、大阪府警の要請を受けて30分で中止される事態に陥りました。

 当日は開始から約10分ほどで、複数の救急車が到着し始めました。大阪市消防局によると、午後5時54分頃に「負傷者が多数いる」との通報を受けた府警本部からの連絡で、消防車と救急車計23台が出動したということです。消防車と救急車のサイレンで現場は騒然となり、主催者側の判断で、演説は30分ほどで中止となりました。

 実際には、当時の梅田駅周辺で「将棋倒し」が発生した事実はなく、演説が中止された時点でも事故は発生していませんでした。そして、百田氏によれば「奇妙なことに、演説を中止したとたん、サイレンが鳴りやんだ」というのです。

 これは、日本保守党が躍進することを良しとしない勢力の、あからさまな妨害ではないでしょうか。

 わたしは、日本保守党が政党要件を満たし、実際の政治に影響を及ぼすようになれば、さらに激しい妨害活動が展開されるだろうと危惧しています。参政党が現在直面している情報戦による分断工作は、日本保守党にも当然仕掛けられるでしょう。

 

 百田代表、明日は我が身です。

 喜んで参政党を叩いている場合ではありません。(了)