肺炎にならないためにワクチンが必要だったのか(1)

 わたしはこれまで、新型コロナ感染症に対するmRNAワクチンの危険性を、このブログで重ねて指摘してきました。当然わたしは自身は、mRNAワクチンは一度も接種していません。

 そのわたしが新型コロナに感染し、しかも肺炎になってしまったのですから、当然次のような指摘があると思います。ワクチンを接種していれば、新型コロナウィルスの感染を防げただろうし、ましてや肺炎になることはなかったのではないか。

 これは当然の指摘でしょう。そこでわたしは、肺炎で入院治療を受けながら、そして後遺症でつらい思い経験しながら、もう一度ワクチン接種について考えてみました。

 今回からのブログは、新型コロナ肺炎になったわたしが考える、mRNAワクチン接種再考です。

 

RNAワクチンには感染予防効果はない

 わたしはがワクチンを接種していれば、新型コロナには感染していなかったでしょうか。

 その検討を行うために、まず第9波の状況をみてみましょう。

 

                  図1

 

 図1のように、新型コロナ感染症の1医療機関当たりの平均患者数は、第8波のピークの3分の2に達しています。紛れもなく、日本には第9波が起こっているのです。

 日本はmRNAワクチンの完全接種率(2回接種率)が世界最高水準で、延べブースター接種率(人口100人当たりの3回目以降の接種回数)は世界一を独走しています。もしmRNAワクチンに感染予防効果があるなら、日本は世界で最も感染者が少なくなっていなければなりません。

 ところが、世界で新型コロナが収束に向かっている中で、日本は第8波を経験しました。2022年には、 FIFAワールドカップ カタール大会が11月20日から12月18日まで開催されました。各競技場で大観衆が、ノーマスクで盛り上がっていたのを記憶されている方も多いでしょう。世界がそのような状況の中で、日本だけは新型コロナが感染爆発を起こし、第8波が到来していました。

 それに懲りずに日本政府は、2023年の5月8日から6回目の接種を開始しました。それにも拘わらず(というか、そのために)7月以降に第9波が起こってしまいました。

 皆さんの周りにも、ワクチンを複数回接種したのに新型コロナに感染した人が、なかには2回目の感染を経験した人がいるのではないでしょうか。

 このようにmRNAワクチンには、感染予防効果がないのは明らかです。わたしがワクチンを接種していたからといって、今回の感染を防ぐことができたとは言えないでしょう。

 では、ワクチンを接種していれば、肺炎になることは防げたのでしょうか。

 

ワクチンの重症化予防効果は

 ワクチン接種を推進する人たちは、mRNAワクチンの効果は重症化を防ぐことにあると主張しています。

 ファイザーやモデルナによれば、mRNAワクチンの重要化予防効果は90%以上であると言われてきました。ワクチンを打った後に新型コロナに感染した岸田首相は、「ワクチンのお陰で重症化しなくて済んだ」とその効果を喧伝しました。mRNAワクチンに感染予防効果がないことが明らかになった今、ワクチンを接種する目的は、この重症化予防効果にあるとされています。

 mRNAワクチンには、重症化予防効果は本当のあるのでしょうか。実は、厚労省はそのデータを開示していません。福島雅典京大名誉教授は、厚労省への情報公開請求で、大臣からの不開示に対する取り消し訴訟を起こしています。厚労省が頑なにデータを開示しないことから、mRNAワクチンの重症化予防効果にも、疑いの目が向けられています。

 では、当初謳われた「90パーセント以上の重症化予防効果」とは一体何だったのでしょうか。

 

抗体の急激な増加と減少

 ワクチン接種後に、新型コロナウィルスに対する抗体が急激に増加するという情報が、一時期盛んに流布されていました。そして、この高い抗体価が達成されることで、重症化予防効果が達成されるのだと説明されていました。

 しかし、この高い抗体価は、長期間続かないことが明らかになります。

 2021年の8月25日に藤田医科大学が、同大学職員209名(男性67名、女性142名)を対象に行った調査結果を発表しています。それによると、ワクチン接種後3ヶ月の抗体価の平均値は、2回目接種後に比べて約1/4に減少していました。

 以下は、それを示したグラフです。

 

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                    出典:藤田医科大学 プレスリリース 

                  図2

 

  図2のように、抗体価の平均値は2回目接種後に比べて3ヶ月後は大幅に低下しており、それは性別、年代を問わず全ての被検者で低下していることが分かります。つまり、高い抗体価が実現しているのは、接種後2ヶ月前後の限られた時期だったのです。

 

重症化予防効果も「瞬間最大風速」

 抗体価の増減に伴って重症化予防効果も変動していることが、海外の文献では明らかになっています。

 2021年の10月27日に、新型コロナ感染症の重症化率は、mRNAワクチン接種の6ヶ月後に2.8倍に増加するという論文が、New England Journal of Medicine に発表されました(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2114228)。

 この論文は、イスラエルの国家データベースから収集された、2021年6月以前に2回のワクチン接種を受けたすべてのイスラエル居住者を対象しています。この中で、2021年7月11日から31日までの期間に確認された、感染および重篤な疾患に関するデータを使用して検討されたものです。

 それまでにも、時間の経過と共にワクチンの感染予防効果が減弱することは知られていましたが、この論文では、新たに重症化予防効果も減弱することが示されました。

 以下は、それを示したグラフです。

 

                図3

 

 図3は、各年代における1,000人当たりの重症化率の、時間的推移を示したグラフです。

 60歳未満では重症化率が低いため、接種後の期間において有意な変化は認められません。しかし、60歳以上では、ワクチン接種から時間が経過するにつれ、重症化率が高まっていることが分かります。その具体的な数値は以下の通りです。

 

  • 接種後2~3ヶ月の重症化率:0.12人/1000人
  • 接種後4ヶ月の重症化率:0.15人/1000人
  • 接種後5ヶ月の重症化率:0.26人/1000人
  • 接種後6ヶ月の重症化率:0.34人/1000人

 

 つまり、接種から時間が経つと重症化予防効果は徐々に低下しており、接種6ヶ月後の重症化率は、2~3ヶ月後の2.83倍に増加することが分かりました。

 このようにワクチンの重症化予防効果も一時的で、時間の経過と共に減弱していくことが明らかになりました。つまり、重症化予防効果が90%以上という謳い文句も、あくまで接種後2,3ヶ月の「瞬間最大風速」を現した数値に過ぎなかったのです。

 このように長期的にみれば、mRNAワクチンには重症化予防効果がないことが分かります。

 

ワクチンを打っていれば肺炎は防げたか

 では、ワクチンを接種していれば、わたしは新型コロナ肺炎にかからずに済んだのでしょうか。

 以上の検討から、その可能性はあったと考えられます。今回の感染が、ワクチン接種の2,3ヶ月後の時期に当たれば、重症化を防ぐことができたかも知れません。つまり、5月8日からのワクチン接種に参加していれば、今回の感染で肺炎を発症することはなかった可能性があるのです。

 しかし、それでもわたしは、ワクチンを接種しなかったことを後悔していません。

 その理由は、たとえ今回の肺炎を予防できたとしても、単に問題を先送りするだけであり、さらには、今後現れるであろうワクチンの深刻な副作用の問題があるからです。(続く)