日本政府はなぜ危険なワクチンを買い続けているのか(8)

 これまでのブログで、ワクチンの追加接種を行うことによって、なぜ感染者数が増え、死者数は増加するのを検討してきました。

 mRNAワクチンは感染を防がないばかりか、長期的に見れば感染者数を爆発的に増やし、死者数も増加させる最悪のワクチンであることが明らかになってきました。さらに、今問題になっている、超死亡数の増加に影響を与えている可能性も指摘されています。

 それでも日本政府は、ワクチン接種を続けようとしています。今回からのブログでは、日本政府が、なぜ危険なワクチン接種の見直しをせずに、他国のように接種を中止できないのかという問題に戻って検討を行いたいと思います。

 

6回目接種が始まる

 厚労省は、高齢者や基礎疾患のある人、そして医療・介護関係者を対象に、2023年の5月8日から、オミクロン株対応ワクチンの2回目接種を始めることを決定しました。ついに、mRNAワクチンの6回目の接種(!)を行うことが決定されたのです。

 加えて、5〜11歳用のオミクロン株対応ワクチンの接種を3月8日から始める方針も決定されました。そして、次の冬の感染拡大に備え、9月には改めて5歳以上を対象とした接種を始めるということです。

 ファーザーとモデルナの本社のあるアメリカでさえ、ほとんど行われなくなった追加接種を、なぜ日本だけが延々と続けているのでしょうか。ワクチンには感染予防効果や重症化予防効果がないばかりか、感染爆発や死者数の増加をもたらしている事実が次々と明らかになっている現状で、さらなる追加接種を続けるとは、正常な判断ができなくなっているとしか思えません。

 日本政府や厚労省は、なぜこうような信じがたい愚行を繰り返しているのでしょうか。

 

第9波の到来を覆い隠したい?

 まず、考えられる理由は、日本で起こることが予想される第9波を、覆い隠したい狙いがあるのではないかということです。

 以下のグラフは、mRNAワクチンの延べブースター接種率(人口100人当たりのブースター接種回数)を示したものです。

 

                  図1

 

 図1のように、延べブースター接種率で日本は世界一を独走しています。その中でも、2022年11月から接種率が急上昇しています。

 日本では、2022年9月20日からオミクロン株対応ワクチンの接種が開始されており、11月から接種率が急上昇したワクチンは、このオミクロン株対応の2価ワクチンでした。

 オミクロン株対応2価ワクチンは、オミクロン株対応型とは名ばかりで、できる抗体の65%以上が武漢株に対する抗体でした。そのため、2価ワクチンにはそもそもオミクロン株に対する感染予防効果はありませんが、武漢株に対する抗体は多く産生されるため、抗体価自体は急上昇します。その結果として、上がりすぎた免疫を低下させようとして、制御性T細胞が活性化されます。

 制御性T細胞は体液性免疫だけでなく、細胞性免疫、さらには自然免疫まで抑制するため、6ヶ月後には全ての感染症に罹りやすい状態になります。それがちょうど、4月末から5月初旬に当たります。日本ではこの頃に、新型コロナ感染症の第9波が起こることが予想されるのです。

 これに対して、ワクチンの追加接種を行っていない世界各国では、今春の感染爆発は起きないでしょう(日本に次いで追加接種を行っている台湾では、ある程度の感染増加が起こるかもしれませんが)。日本でだけで感染爆発が起こることで、ワクチン接種がその原因であることが白日の下に晒されてしまうことを、日本政府や厚労省は恐れているのではないかと思われます。

 5月8日からオミクロン型対応ワクチンの2回目接種を始めるのは、まさに免疫が抑制されるこの時期に、ワクチンを接種して新型コロナウィルスの感染を防ごうという目論見があるのではないでしょうか。

 

オミクロン株対応2価ワクチンでは感染は防げない

 ところが、オミクロン株対応2価ワクチンを接種しても、第9波の到来を防ぐことはできないでしょう。これまでに検討してきたように、2価ワクチンでできる抗体は、65%以上が武漢株に対する抗体だからです。武漢株抗体をすり抜ける変異株の感染を防ぐ力は、もともと弱いのです。

 加えて、ワクチン接種を繰り返すことによって、産生される抗体の中で、病原体を排除する炎症反応を誘導しないIgG4抗体の割合が増えることが明らかになってきました。6回目の接種ともなれば、IgG4抗体の割合はさらに増加することが予想されます。炎症反応を誘導せず、免疫寛容をもたらすIgG4抗体が増えれば、感染を防ぐことがより難しくなると考えられます。

 それだけではありません。第9波の候補となり得るのは、オミクロンBA.5株ではありません。オミクロンBA.5株に対する抗体をすり抜けた新たな変異株です。つまり、2価ワクチンによって武漢株とオミクロンBA.5株に対する抗体を作っても、新たな変異株には効果がないのです。

 また、6回目のワクチン接種では感染を防げないだけでなく、重症化の予防もできないでしょう。第8波がそうであったように、第9波でも死者数は減ることはなく、さらに増加することが予想されます。前回のブログで検討しましたが、2価ワクチンでは中和抗体より感染増強抗体が多く産生される可能性が高く、これが新型コロナ感染症の重症化をもたらすからです。

 第9波の被害を最小限に抑える手立ては、一つしかありません。それは、今すぐにワクチン接種を全面的に中止することです。そうすれば、今春の第9波は比較的小さな山になり、死者数もずっと少なく抑えることができるに違いありません。そして、何よりも、さらに半年後に訪れるであろう第10波を防ぐことができるのです。

 

なぜ繰り返しワクチン接種が必要なのか

 現在のようなその場限りの対応を繰り返していると、ワクチン接種は永遠に繰り返されることになります。

 ワクチン接種を繰り返すと何が起こるかは、以下の二つの図をみれば明らかです。

 

                  図2

 

 図2は、アメリカのクリーブランドクリニックの研究(『Effectiveness of the Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) Bivalent Vaccine』)によって明らかになった、ワクチン接種回数と累積罹患率の推移を示したグラフです。

 図2からは、ワクチンを接種すればするほど、新型コロナに感染しやすくなっていることが分かります。

 そして、次の図は、日本における新規感染者数と新規死者数の推移です。

 

  日本経済新聞社 『新型コロナウィルス感染 世界マップ』をもとに作成

                 図3

 

 図3をみると、ワクチンを接種するたびに、新規感染者数または新規死者数が増加していることが分かります。

 以上の二つの図から分かることは、ワクチンを接種すればするほど新型コロナ感染症に罹りやすくなって死者数も増加すること、それを抑えるためにさらなるワクチン接種が必要になることです。

 

依存症の病理

 この構造は、まさに依存症と共通の病理を孕んでいます。

 まずここで、依存症の病理について簡単に述べておきましょう。

 

                  図4

 

 図4は、快感を得るための通常の過程と、依存行為が快感を得る過程を比べたシェーマです。

 まず、図4の左側を見て下さい。通常では、快感は簡単には得られません。快感を得ようとしても、上手く行かないこと、失敗することが常に起こります。そこで人々は試行錯誤を繰り返し、失敗を繰り返しながら、なんとか目的を達成します。そのときに生じる感じる感覚が、快感やそれに伴う満足感です。ヒトはこの快感や満足感を得るために、困難な課題に対して諦めずに挑み続けます。つまり快感や満足感は、困難なことを成し遂げるために備わっている、人間の重要な感覚なのだと言えるでしょう。

 これに対して、図4の右側のシェーマのように、面倒で複雑な過程を経ずに、直接快感を得ることが可能になる物質や行為が存在します。それが依存物質や依存行為と呼ばれるものです。

 依存物質(麻薬、覚醒剤、アルコール、ニコチン、糖質など)や依存行為(ギャンブル、買い物、ゲーム、スマホ、ストーカーなど)は、成功を得るための試行錯誤や努力を経ずに、一気に快感が得られるという共通の特徴があります。その結果として、安直に快感や満足感が得られてしまうため、ヒトは依存物質や依存行為にのめり込むようになります。依存物質や依存行為を求める行動が常習化された状態が、依存症と呼ばれる病態を生じさせます。

 このように依存症は、快感を求めるために依存物質(または依存行為)に耽溺してゆく病気です。ただし、依存物質(依存行為)によって得られる快感は、通常の行為によって得られる快感とは根本的に性質が異なっています。

 

                  図5

 

 図5のように、依存物質や依存行為によって快感が存在する状態が常態化すると、快感のないことが苦痛に感じられるようになります。快感が感じられなくなると落ち着かなくなり、不安感やイライラ感が生じます。これが禁断症状と呼ばれる症状です。禁断症状はいたたまれないほどの苦しさを伴うため、これから逃れようとして、依存物質を何度も摂取したり依存行為を繰り返そうとします。その際に一瞬の快感が得られますが、この快感は禁断症状のある異常な精神状態が、通常の精神状態に戻る際に生じる快感に過ぎません。快感を常に得られないと精神状態は悪化して再び禁断症状が生じ、この禁断症状から逃れようとして依存物質を摂取したり、依存行為を繰り返してしまうのです。 

 

ワクチン依存症ができあがる

 この過程は、ワクチンの接種を繰り返している日本の政策と共通する部分が認められます。

 mRNAワクチンは、短期的には新型コロナウィルスからの感染を予防します。しかし、ウィルスの遺伝子の一部を細胞の中に入れ、強引に抗体を産生させる仕組みであるため、制御性T細胞が働いて免疫全般を抑制します。その結果、長期的にはワクチン接種前より免疫力全般が低下します。

 免疫力が低下すれば却って感染しやすくなり、それを解消しようとして新たなワクチン接種が必要になります。新たなワクチン接種は短期的には効力を発揮しますが、長期的には却って免疫力を低下させるため、感染を防ごうとしてさらなるワクチン接種が必要になります。そして2価ワクチンに至っては、短期的な効力さえ期待できないことがわかりました。それでもワクチンに依存している人々は、新型コロナ感染症を恐れて、精神の安定を求めて効果のない(だけでなく副作用の多い)ワクチンの接種を求めてしまうのです。

 その行動はもはや、薬物依存症者が、健康を蝕むだけだと分かっていても、禁断症状を解消するためだけに薬物を摂取してしまう姿と重なります。

 

マスコミと政府がワクチン依存症をつくった

 感染症に対しては、手洗い・うがいなどの感染予防に加えて、本来は体力を整え、自らの免疫を鍛えて対応することが重要なはずです。ところが、今の日本ではワクチンの接種のみがクローズアップされ、ワクチンこそが救世主のように扱われて接種が繰り返されて来ました。

 マスコミが新型コロナ感染症の恐怖を煽る。政府が救世主のごとくワクチンを扱って恐怖を解消させる。国民の多くがワクチンを接種する。その結果新型コロナ感染症の感染爆発が繰り返される。それをマスコミが煽って報道する。

 この過程を何度も繰り返して、日本ではこれまでに5回のワクチン接種が行われてきました。そして、5月からは6回目の、さらに今年の秋には7回目のワクチン接種が予定されています。これはまさに、ワクチン接種が無限に必要になる、ワクチン依存症そのものであると言えるでしょう。

 

 日本政府は、ワクチンの購入に莫大な予算を投じ、世界一のワクチン接種を行ってきました。その結果、新型コロナ感染症は感染爆発を繰り返し、感染症による死者を増加させました。そして、それだけでなく、多くの日本人をワクチン依存症にしてしまったのです。(続く)