わたしたちはなぜ、危険なワクチンを打ち続けているのか(3)

 前回のブログで、日本は、3回目と4回目を併せた延べブースター接種率が88%を超えて世界一になったこと、それにも拘わらずオミクロンBA.5株の感染爆発を起こしていること、さらに2022年の1月から6月の超過死亡数が4万7千人を超え、昨年1年間とほぼ同じ数に上ったことを指摘しました。

 このようにmRNAワクチンは、長期的に見れば何の効果もないばかりか、かつてない超過死亡を生み出している非常に危険なワクチンです。

 それなのに岸田政権は、さらにオミクロン株対応ワクチンを接種しようとしています。このオミクロン株対応ワクチンは、オミクロン株に対応できないばかりか、これまでのワクチンよりさらに副反応の危険が増強している可能性があるのです。

 今回のブログでは、迫り来るオミクロン株対応株ワクチンの危機について検討したいと思います。

 

これまでのワクチンは全て武漢ウィルス対応

 そもそも、オミクロン株対応ワクチンが作られたのは、これまで接種してきた武漢株対応ワクチンでは、効果がないことが明らかになってきたからです。

 まずこれを聞いて、今まで自分が打ってきたワクチンが、武漢株対応ワクチンであることを知らなかった方もみえるでしょう。そうなのです。わたしたちがこれまで繰り返し接種してきたワクチンはすべて、中国武漢で最初に発生した新型コロナウィルスに対応して作られたワクチンでした。

 武漢株ウィルスは変異を繰り返し、オミクロン株では抗体の対象になるスパイク部分が32カ所以上も変異していることが分かっています。武漢株に対する中和抗体がどれだけ作られても、変異したオミクロン株のスパイクには結合できないのですから、オミクロン株ウィルスの感染を防ぐことはできません。

 

なぜ2価ワクチンなのか

 そこでオミクロン株対応ワクチンが作られたわけですが、このワクチンは2価ワクチンと呼ばれています。2価ワクチンとは、2つのウィルスに対応するワクチンで、今回日本で接種されるワクチンは、武漢株とオミクロンBA.1株に対応して作られています。さっそく、2価ワクチンは従来のワクチンよりも効果が1.56倍になったという宣伝がされていますが、ちょっと待って下さい。何かおかしいと思いませんか。

 オミクロン株対応ワクチンなら、オミクロン株だけに対応したワクチンを作ればいいはずです。効かなくなってきた武漢株ウィルスのスパイクを作るmRNAを混ぜているのはどうしてなのでしょう。しかも、オミクロン株にしても、現在流行しているBA.5株ではなくて、以前に流行したBA.1株のスパイクを作るmRNAが入っているのはおかしくはないでしょうか。

 

オミクロン株対応の抗体ができない

 オミクロン株単体のワクチンを作らなかった理由は、オミクロン株のスパイクタンパク質を作るmRNAを入れても、オミクロン株に対応出来る抗体がわずかしかできなかったからです。

 それには二つの要因があります。

 一つ目は、オミクロン株が、数多くの抗体による攻撃をくぐり抜けて生き残ったウィルスであることです。新型コロナウィルスは、武漢株を始めとして、代表的なものとしてアルファ株、デルタ株を経てオミクロン株が出現しています。この間に幾多の変異を繰り返して、人の免疫機構をすり抜けてきました。その過程でウィルスが身につけたのが、免疫回避能力です。抗体が結合できにくい形状にウィルス変化してきた結果、免疫を回避できる能力が高まりました。こうして高まった免疫回避能力に対応できる抗体は、容易には作れなかったのです。

 

抗原原罪という宿命

 オミクロン株の抗体ができない人体側の要因として、抗原原罪という現象が挙げられます。

 免疫系は、ウィルスや細菌などの病原体に遭遇した際に、免疫記憶を優先的に利用します。例えばウィルス感染の場合、最初に出会ったウィルス株の記憶が免疫系に残り、その後に同じウィルスの変異株に感染した際にも変異株に特異的な抗体を作らずに、以前の株に対する抗体ばかりを産生してしまうことが起こります。

 このように、免疫系が病原体に最初に出会った時の記憶に固執し、変異株に感染した際に柔軟で効果的な反応ができなくなる現象を、抗原原罪 (original antigenic sin)と呼びます。原罪とは、全ての人は生まれなら罪を背負っているとするキリスト教の概念ですが、それにしても凄い名前を付けたものです。

 抗原原罪は、ウィルスや細菌のような病原体だけではなく、ワクチンに対しても起こることが知られています。3回も4回も同じワクチンを接種すれば、武漢株に対する抗原原罪が起こります。そうなれば、オミクロン株に感染しても武漢株に対する抗体ばかりが作られ、オミクロン株に対応できる中和抗体は作られることがありません。まさにこれは、武漢株ワクチン原罪だと言えるでしょう。

 

2価ワクチンは苦肉の策だった 

 以上のように、オミクロン株は抗体ができにくいように変異していること、そして度重なるワクチン接種のため抗原原罪という現象が起こっていることが重なって、オミクロン株対応ワクチンの作成は上手くいきませんでした。

 そこで、苦肉の策として、これまでの武漢株のスパイクタンパク質を作るmRNAをワクチンに加えたのです。なぜなら、武漢株に対する抗体ならたくさん作られるからです。しかしそれは、見かけ上だけ抗体価を上げる方策に他なりません。

 抗体価が上がったとしても、その抗体がオミクロン株に効くわけではありません。そもそも武漢株対応ワクチンはオミクロン株に効かなくなってきています。効力のない武漢株の抗体価の数値を上げ、そこにわずかに上昇したオミクロンBA.1株の抗体を加える。これが、今回日本で接種されるオミクロン株対応ワクチンの正体なのです。

 

廃棄処分すべきワクチンを接種する日本

 さらに付け加えれば、オミクロンBA.1株の抗体は、現在日本で流行しているオミクロンBA.5株には効力がありません。BA.1株に対する免疫をすり抜けて感染拡大しているのが、他ならぬBA.5株だからです。

 つまり、苦肉の策で作ったオミクロンBA.1株対応のワクチンは、効力がないことに加えて、接種するべき時期が過ぎてしまって使い物にならなくなった代物です。

 日本政府は、使い物にならなくなって廃棄処分にするようなワクチンを買い取り、12歳以上のすべての国民に接種しようとしています。さらに、これを1日100万回以上接種しようというのですから、岸田首相の考えていることは全く理解できません。

 それだけではありません。今回のワクチンは効果がないだけでなく、これまでのワクチン以上の重大な副反応を起こす可能性があります。

 

大規模な血栓形成が起きる

 東京理科大学の村上康文名誉教授は、オミクロン株対応ワクチンを接種することによって、以下で述べるような危険な副反応が起こると可能性があると警鐘を鳴らしています。

 最初の問題点は、オミクロン株対応株ワクチンに、武漢型ウィルスのスパイクタンパク質を作るmRNAが入っていることです。オミクロン株対応ワクチンが5回目の接種になる人は、武漢株のウィルスのスパイクが体内で作られることが5回目になります。村上氏は、同じ抗原が何度も現れることによって、抗体の親和性は極度に高まると指摘します。

 

 『東北有志医師の会〈緊急座談会第二弾!〉オミクロン型対応ワクチンをすすめない理由』村上康文名誉教授のスライドより

                図1

 

 ワクチンで誘導された武漢株のスパイクタンパク質に、親和性の増した抗体が結合します。抗体は2本の腕を持っていますから、もう一本の腕でも別のスパイクと結合します。この結合が多数起きると、図1のように巨大な抗原抗体複合体を形成します。この塊が、血栓形成の核になると言うのです。

 こうして巨大な抗原抗体複合体が核になって血栓が形成されると、心筋梗塞脳梗塞などの疾患がさらに増加する可能性が考えられるでしょう。

 

抗体ができずに副反応だけが起こる

 オミクロン株対応ワクチンのもう一つの危険性として、村上氏は、生成されるオミクロンBA.1株のスパイクタンパク質が、抗体によって中和されない可能性を指摘します。

 先に、免疫系が病原体に最初に出会った時の記憶に固執し、変異株に感染した際に柔軟で効果的な反応ができなくなる抗原原罪という現象を取り上げました。そして、この抗原原罪は、ワクチンに対しても起こることが知られています。

 同一種のワクチンを何度も接種すれば、武漢株に対する抗原原罪が起こります。そうなれば、武漢株のスパイクタンパク質に対する抗体ばかりが作られ、オミクロン株のスパイクタンパク質に対応できる中和抗体は作られません

 すると、どうなるでしょうか。

 

 『東北有志医師の会〈緊急座談会第二弾!〉オミクロン型対応ワクチンをすすめない理由』村上康文名誉教授のスライドより

                 図2

 

 図2の「中和されないオミクロン型スパイクタンパク質は本来の毒性を発揮する」というのは、次のような意味です。

 ワクチンを接種して作られる武漢株のスパイクタンパク質に対する抗体は、変異の多いオミクロン株のスパイクタンパク質に結合できません。抗体が結合しないオミクロン株のスパイクタンパク質は、そのまま血管の内皮細胞を傷害する可能性があります。

 これまでのワクチンでは、ワクチンのmRNAから、武漢株のスパイクタンパク質が多量に作られていました。それでも2週間もすれば、武漢株に対する中和抗体が多量に作られるため、スパイクタンパク質が血管を傷害することは防がれました。しかし、オミクロン株のスパイクタンパク質に対する抗体が作られないとすれば、血管の内皮細胞が傷害される副反応は、mRNAが消失しない限り発現され続けることになります。その期間は、2ヶ月以上にも及ぶ可能性があるのです。

 

 以上のような村上氏の指摘が現実のものとなれば、オミクロン株対応ワクチンは、効果がないばかりか、副反応が桁違いの数で現れることが予想されます。

 このような危険なワクチンを、岸田首相は、12歳以上の全ての人を対象に、それも1日に100万回以上も打たせようとしています。わたしたちがこの決定に何の疑問も持たずに粛々と従ったとしたら、日本人の未来には、惨憺たる結末しか残っていないことは明らかでしょう。(続く)