わたしたちはなぜ、危険なワクチンを打ち続けているのか(4)

 前回のブログでは、岸田政権が接種を開始したオミクロン株対応ワクチンは、効果がないばかりか、これまでのワクチン以上に多くの副反応を生じる可能性が高いことを検討しました。

 では、わたしたちはなぜ、このような危険なワクチンを接種してしまうのでしょうか。それは、政府、厚労省や、マスコミが偏った情報しか流さないからです。例えばこれまでも、マスコミは新型コロナ感染症の恐怖を煽る一方で、mRNAワクチンの感染予防効や重症予防効果は90%以上で、しかも重篤な副反応はないと報じてきました。

 しかし、実際の新型コロナ感染症はどんどん軽症化し、今ではインフルエンザ並みかそれ以下の致死率に低下しています。そして、mRNAワクチンの感染予防効果や重症化予防効果はあくまで一時的で、長期的には感染爆発や超過死亡数の増加を招くことが明らかになってきました。

 マスコミの偏向報道は今も続いています。今回のブログでは、新型コロナ感染症とmRNAワクチンに関する報道の問題について検討したいと思います。

 

基礎疾患がなくても死亡する

 9月15日のNHKおはよう日本」で、次のようなニュースが流されました。

 

 「国立感染症研究所はオミクロン株が広がったことし1月から8月までに発症して亡くなった子どもなど、20歳未満の41人のうち、詳しい状況を調査できた29人について分析し、その結果を14日に開かれた厚生労働省の専門家会合に報告しました。

亡くなったのは年齢別に
▽0歳が8人、
▽1歳から4歳が6人、
▽5歳から11歳が12人、
▽12歳から19歳が3人で、
ほぼ半数の15人には基礎疾患がありませんでした。

ワクチンの接種対象年齢だった15人のうち、2回接種していたのは2人だったということです

 

 この後、医療機関に到着した後の症状、亡くなるまでの期間が述べられ、ニュースの最後は、次のような言葉で締められています。

 

 「専門家会合の脇田隆字座長は子どもでもなるべく感染しないようにしてもらうことが重要で、その方法の一つとしてワクチン接種が重要だと考えていると話しています

 

 このニュースを聞いた親は、「基礎疾患のない健康な子どもでも、オミクロン株に感染して亡くなる子どもがたくさんいる。専門家会合の偉い先生がワクチン接種が重要だと言っているのであれば、うちの子どもにもワクチンを打たせよう」と思うのではないでしょうか。

 

オミクロン株で子どもが41人も死亡?

 このニュースを聞いて、何かおかしいなと感じた人もいるのではないでしょうか。

 それはまず、冒頭の部分です。

 「オミクロン株が広がったことし1月から8月までに発症して亡くなった子どもなど、20歳未満の41人のうち」とあります。オミクロン株は重症化しないはずで、しかも新型コロナ感染症では、もともと子どもは重症化しませんでした。ましてや、死亡例は極端に少なかったはずです。それが、今年の1月から8月の8ヶ月間の間に、20歳未満で41人もの死亡者が出ているというのです。

 これは事実でしょうか。

 以下は、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会に提出された資料です。

 

                 図1

 

 図1は、年代別の感染者数と死亡者数の累計です。ここで注目していただきたいのは、10歳未満と10代の死亡者数の総計です。10歳未満が15人、10代が11人で、20歳未満の死亡者数の総計は26人です。しかも、この数は新型コロナ感染症が日本で確認された2020年1月15日から、2022年8月23日までの総計です。

 この2年7ヶ月間の総計が26人であるのに、上記のニュースでは2022年の1月から8月までの20歳未満の死亡者数が41人となっています。

 このニュースは、そもそも前提が間違っていないでしょうか。

 

新型コロナ感染症によって死亡した症例なのか

 ニュースの元になった論文を見てみましょう。9月14日の厚生労働省の専門家会合に提出された、『新型コロナウイルス感染後の 20 歳未満の死亡例に関する積極的疫学調査(第一報):2022年 8 月 31 日現在』 という報告です。

 まず、調査対象が、

 ① 発症日(あるいは入院日)が 2022 年 1 月 1 日以降の SARS-CoV-2 感染後の 20 歳未満の急性期の死亡例 

 ② 発症日(あるいは入院日)が 2022 年 1 月 1 日以降の SARS-CoV-2 感染後の 20 歳未満の急性期以後に死亡した症例(死因を別原因とした症例。発症からの日数は問わない。)

 となっています。

  「SARS-CoV-2 感染後の」となっていることから、対象は新型コロナ感染症を発症した症例ではなく、感染が確認された症例、つまりPCR陽性者であると考えられます。これだけで、対象はかなり広がるでしょう。

 次に、「感染後の急性期の死亡例」だけでなく「急性期以降に死亡した症例」も対象とされていて、しかも「発症からの日数は問わない」とされていることから、新型コロナ感染症と直接関係なく死亡している症例も含まれていると思われます。

 以上より、この研究で対象とされた41人は、1月1日から8月31日までの期間で、新型コロナのPCR検査陽性で、その後に何らかの原因で亡くなった20歳未満の子どもだったことが分かります。

 

死亡原因は特定されていない

 では、PCR陽性で亡くなった子どもは、新型コロナ感染症が原因だったのでしょうか。

 以下は、この論文の中に掲載されている「新型コロナウイルス感染後の 20 歳未満の死亡例の特性 」を示した表です。

 

                  図2

 

 図2でオレンジで囲った部分を見ると、死に至る経緯として、循環器系の異常、中枢神経系の異常、呼吸器系の異常、その他、原因不明、という分類がされています。しかし、これらの異常が新型コロナ感染症によるものか、それ以外の疾患によって起こされたものなのかは検討されていません。

 特に、基礎疾患のない15症例では、循環器系の異常が4例で中枢神経系の異常が5例であり、呼吸器系の異常は0例でした。呼吸器系の異常が原因で亡くなった症例が存在していないことから、新型コロナ感染症が直接の死因になっていない可能性が疑われる結果です。

 論文の中でも、「本報告は、(中略)暫定的な報告であり、今後の調査の進捗にあわせて、情報の更新・修正がなされる可能性がある」と述べられています。さらに「SARS-CoV-2 感染と死亡との因果関係を検討していない点に留意する必要がある」との但し書きが加えられています。

 つまり、この論文は、新型コロナ感染症は、あくまで基礎疾患のない子どもでも死亡者が出る可能性があることを暫定的に示した報告にすぎず、新型コロナ感染症において、基礎疾患のない子どもにも死亡者が出ることを証明した論文ではないことには注意が必要です。

 

子どものワクチン接種に繋げたい

 以上の検討をもとに、「おはよう日本」で流されたニュースの内容を振り返ってみましょう。

 まず、ニュースの冒頭で述べられた「オミクロン株が広がったことし1月から8月までに発症して亡くなった子どもなど、20歳未満の41人」という言葉は、非常に誤解を招きやすい表現だと言えるでしょう。これでは、新型コロナ感染症のオミクロン株が原因で、20歳未満の子どもが41人も亡くなったとしか取れません。

 しかし、この41人の中で、新型コロナ感染症が原因が亡くなった子どもが何人いるかは分かりません。図1に示した、ワクチン分科会副反応検討部会に提出された資料で、20歳未満の死亡者の総計が26人(しかも、2020年1月からの総計)であることからすると、コロナによる実際の死亡者はかなり少ないことが推察されます。

 特に、基礎疾患のない子どもで、死亡に至る経緯として呼吸器系の異常が0人だったことから、亡くなった子どもたちは、単にPCRが陽性であっただけで、他の疾患で亡くなった可能性を考えなければならないと思われます。

 それにも拘わらず、NHKのニュースではこうした可能性には一切触れることなく、基礎疾患のない子どもでも、新型コロナ感染症で亡くなるケースが多く認められたかのような報道がなされました。

 そして、「専門家会合の脇田隆字座長は『子どもでもなるべく感染しないようにしてもらうことが重要で、その方法の一つとしてワクチン接種が重要だと考えている』と話しています」という内容でニュースを締めくくるのです。

 まるで、子どもにワクチン接種を勧めるために、意図して制作されたニュースであるかのようです。

 

雷に打たれる確率と同程度

 今回のニュースが、いかに偏向した内容であるかを示すために、図1の資料をもとに、ニュースの仮想原稿を作ってみましょう。

 

 「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会に提出された資料によりますと、2020年1月15日から2022年8月23日までの2年7ヶ月あまりの間に、新型コロナ感染症で亡くなった20歳未満の子どもは、26人にのぼることが明らかになりました。

 人口10万人あたりに換算すると、死亡者は0.13人となります。この数字ではピンとこないと思いますので、他の事例と比較してみましょう。

 20歳未満の子どもが新型コロナ感染症で死亡する確率は、2022年8月23日の時点で、約78.3万分の1になります。1年間交通事故で死亡する確率は約4.8万分の1、搭乗した飛行機が墜落する確率が約11.1万分の1ですので、これらより確率はかなり低くなります。1年間に人が雷に打たれる確率が77万分の1から100万分の1と言われていますので、大体これくらいの割合だと考えると想像がつきやすいでしょう。

 子どもにワクチンを接種するかどうかは、これらの数字を参考にしていただくとよいと思います」

 

 いかがでしょうか。このように報道されたら、多くの親は子どもにワクチンを打たせようとは思わないでしょう。ワクチンを接種させるために、マスメディアがいかに偏向した内容を報道しているが分かります。公共放送であるNHKですらこうなのですから、他の報道機関は推して知るべしです。

 新型コロナ感染症に適切に対応してゆくためには、報道機関は客観的で正しい報道をしているはずだという先入観を、わたしたちがまず取り払わなければなりません。(続く)