わたしたちはなぜ、危険なワクチンを打ち続けているのか(8)

 前回のブログでは、ワクチンのブースター接種が進んでいる国々では新型コロナ感染症の感染拡大が続いており、ブースター接種が遅れている国々では、逆に感染は終息していることを検討しました。

 日本は現在、3回目と4回目の接種を合計した延べブースター接種率で、世界一を独走しています。そのため、このままでは今年の冬には、日本が世界一の感染爆発を起こす恐れがあります。それにも拘わらず厚労省は、接種間隔を5ヶ月から3ヶ月に短縮し、5回目のブースター接種を始めようとしています。

 それだけではありません。厚労省は、主に動物実験しか行っていないオミクロンBA.5株対応ワクチンをいきなり日本人に接種しようとしたり、生後6ヶ月の乳幼児に武漢株ワクチンを打とうとしています。

 厚労省とワクチン接種を推進する専門家たちは、わたしには狂気の集団にしか見えません。なぜ彼らは、それでもワクチンを接種しようとするのでしょうか。

 

ついに5回目の接種が始まる

 10月21日から、ついに新型コロナワクチンの5回目の接種が始まりました。世界の動向を追っていれば、これがいかに愚策かは容易に分かるはずです。5回目のmRNAワクチンを、しかも接種間隔を3ヶ月に短縮して接種する人など本当にいるのだろうかと訝しんでいましたが、残念ながらたくさんいるようです。

 その代表が、この人です。

 

 「元厚生労働大臣で前東京都知事舛添要一氏(73)が25日、自身のツイッター新型コロナウイルスワクチンの5回目接種を終えたことを報告した。

同氏は『先ほど新型コロナワクチンの5回目の接種を終えた。今回は、ファイザーのオミクロン株BA4、BA5への対応型である。5回目にして、やっとオミクロン株対応のワクチンが用意できた。従来型よりも効果があるだろう』とオミクロン株に対応した新型ワクチンの効果を期待。『5回とも同じ会場で接種したが、今日が最も混雑していた。感染予防にワクチン接種を勧める』とつづった」(「サンスポ」10月25日より)

 

 さすがは元厚労大臣です。厚労省のワクチン政策を、自らの身を挺して(?)推進しようとしています。それと共に、物事の本質を見抜く力は、学歴や政治経験とは無関係であることを改めて思い知らされました。

 彼自身のことはさておくとしても、「5回とも同じ会場で接種したが、今日が最も混雑していた」とすれば、これは由々しき事態です。

 

「軽い副反応」という欺瞞

 5回目の接種を後押しているのは、オミクロン株対応ワクチンだから従来のワクチンより効果があるという錯覚と、副反応が軽度であるという根拠のない情報に不安感をかき消されているからだと思われます。しかし、副反応が軽度であるという情報には、とんでもない欺瞞が隠されています。

 以下は、『NHK首都圏ナビ』の9月21日に掲載された「オミクロン株対応ワクチン 副反応は インフル用 同時接種時のデータも」という記事の情報です。

 

                   図1

 

 図1は、オミクロン対応ワクチンの副反応として上げられている症状です。接種部位の痛み、疲労倦怠感、頭痛、発熱といった症状は、ワクチン接種後に一般的に現れる症状で、これは「ワクチン接種の副反応」としてこれまでも指摘されてきたものです(それでも、従来のワクチンよりも頻度ははるかに高いですが)。この表を見て、副反応はあるけれどもこの程度か、と安心していけません。

 これらは従来のワクチンと同じカテゴリーの副反応を示したもので、mRNAワクチンには、従来のワクチンとは比較にならない危険な副反応(それは副反応というカテゴリーで括りきれないもので、今後は副作用と明記しますが)、正確に伝えられていない副作用が存在していることを忘れてはなりません。

 オミクロン株対応ワクチンの危険な副作用については、すでに先のブログ『わたしたちはなぜ、危険なワクチンを打ち続けているのか(3)』で検討しましたが、ここではそのなかで、わたしが特に重要であると考える点について述べておきたいと思います。

 

なぜ2価ワクチンなのか

 オミクロン株対応ワクチンは、BA.1株対応型にしてもBA.5株対応型にしても、いずれも2価ワクチンと呼ばれています。2価ワクチンとは、2つのウィルスに対応するワクチンで、武漢株とオミクロンBA.1株のmRNA、または武漢株とオミクロンBA.5株のmRNAの2つで作られています。

 おかしいと思いませんか。なぜオミクロン株対応ワクチンに、武漢株のmRNAが入っているのでしょうか。そもそも、武漢株対応ワクチンが効かなくなったという理由で、オミクロン株対応株ワクチンが開発されたはずです。

 それは、オミクロンBA.1型スパイクタンパク質(以下、スパイクと略します)やオミクロンBA.5型のスパイクからは、充分な抗体ができなかったからです。それは抗原原罪という現象によっています。

 免疫系は、ウィルスや細菌などの病原体に遭遇した際に、免疫記憶を優先的に利用します。例えばウィルス感染の場合、最初に出会ったウィルス株の記憶が免疫系に残り、その後に同じウィルスの変異株に感染した際にも変異株に特異的な抗体を作らずに、以前の株に対する抗体ばかりを産生してしまうことが起こります。

 この現象は、抗原原罪と呼ばれています。抗原原罪は、ワクチンに対しても起こることが知られています。そのため、武漢株のワクチンを3回も4回も接種された人体からは、武漢株への抗体が優先して作られてしまうのです。

 以上の結果、オミクロン株対応ワクチンを接種すると、武漢型スパイクに対する抗体は多く誘導されますが、オミクロンBA.1型またはBA.5型スパイクに対する抗体はわすかにしかできませんでした。

 これが、実におそろしい結果を招きます。

 

スパイクタンパク質が排除されない

 武漢株ワクチンを接種した場合、武漢型スパイクタンパク質が多量に作られます。これに体液性免疫が反応して、武漢型スパイクに対する抗体が作られます。ワクチンのmRNAはメチル基が改変されていて、体内に2ヶ月以上残ってスパイクタンパク質を作り続けますが、これが多くの場合で体に害を及ぼさないのは、作られた抗体がスパイクタンパク質に結合して排除しているからです。

 ただ、mRNAワクチンを接種して2週間は、リンパ球が減少して抗体が充分に作られません。この期間は却って新型コロナ感染症に罹りやすくなるため、「魔の2週間」と呼ばれています。同時にこの時期は、スパイクタンパク質が排除されずに体内に多量に存在するため、重篤な副作用が起こりやすい時期でもあります。ワクチン接種後に死亡したり、重篤な疾患を発症する期間が2週間以内に集中しているのは、この現象が重要な原因になっていると考えられます。

 

重篤な副作用が何ヶ月も続く

 そうであるとすれば、オミクロン株対応ワクチンを接種して、オミクロン型スパイクに対する抗体がわずかにしかできないとしたら、重篤な事態が発生することが予想されます。

 オミクロン株対応ワクチンのmRNAは、2ヶ月以上にわたって、武漢型スパイクとオミクロン型スパイクを作り続けます。もし、作られる抗体が武漢型スパイクに対するものがほとんどであったとしたら、オミクロン型スパイクは排除されずに残り続けます。

 その結果、従来のワクチンで起こっていた接種後2週間の危険な時期が、オミクロン株対応ワクチンでは、スパイクタンパク質が作られ続ける期間で継続することになります。具体的には2ヶ月以上の間、わたしたちの体にはオミクロン型スパイクが残存し続けるのです。

 スパイクタンパク質は、血管の内皮細胞を傷害して出血を招いたり、血栓を形成するなどして脳血管障害、心筋梗塞といった血管系の疾患を引き起こします。この危険が切迫した期間が、これまの2週間から2ヶ月以上に延長されると考えられます。

 この一点だけを取り上げても、オミクロン対応株ワクチンは、これまでのワクチンの何倍もの副作用が引き起こされることが予想されるでしょう。

 

インフルエンザワクチンとの同時接種

 『NHK首都圏ナビ』には、オミクロン株対応ワクチンと、インフルエンザワクチンの同時接種についても述べられています。

 

                  図2

 

 図2のように、オミクロン株対応ワクチンとインフルエンザワクチンを同時に接種した場合、接種した場所の痛みなど局所的な症状が出た割合は、ファイザーのワクチンでは新型コロナの単独接種の場合の1.10倍、モデルナのワクチンは1.05倍、けん怠感や発熱など全身の症状が出た割合は、ファイザーのワクチンは1.08倍、モデルナのワクチンは1.11倍だったとしています。そしてこのニュースでは、最後に次のように結んでいます。

 

 「厚生労働省は、ことしのインフルエンザワクチンの供給量は、成人の量に換算して最大でおよそ7042万人分と、過去最大となる見通しを示し、同時接種も問題ないとしています」

 

 このように厚労省は、今年の冬には新型コロナ感染症の第8波と、インフルエンザの同時流行を想定して、インフルエンザワクチンも過去最大量を用意しているのです。

 新型コロナ感染症が拡大した過去2年間は、インフルエンザが全く流行しなかったのに、なぜ厚労省は今年に限って、インフルエンザワクチンを同時接種させようとしているのでしょうか。

 

ウィルス干渉で同時に感染しない

 そもそも過去2年間で、インフルエンザが全く流行しなかったのは理由があります。それは、ウィルス干渉という現象があるからです。

 ウィルス干渉とは、1個の細胞に複数のウイルスが感染する際に、ウィルスの増殖が抑制される現象で、一方のウイルスが吸着に必要なレセプターを占領あるいは破壊してしまうために、他方のウイルスが吸着することができなくなることをいいます。つまり、ウィルスによる、感染細胞に対する「イス取りゲーム」のような現象です。

 新型コロナウィルスの感染力が強力であったために、インフルエンザウィルスは細胞に感染することができませんでした。そのため、新型コロナの感染が拡大した過去2年間は、インフルエンザの発症は、ほとんど見られなくなっていたのです。

 では、今年に限って、厚労省が新型コロナ感染症とインフルエンザの同時流行を想定しているのはどうしてなのでしょうか。

 

厚労省はワクチンによる免疫力の低下を知っている

 10月13日の『NHK首都圏ナビ』では、専門家は、この冬にかけてインフルエンザの流行が起き、コロナの「第8波」と重なる可能性があるとして、その要因を次のように挙げています。

 

(1)水際対策などの緩和
世界の多くの国では水際対策など行動制限を緩和する動きが続き、国際的な人の移動が大きく増えてきています。日本でも、入国者数の上限が撤廃され、海外からの自由な個人旅行が認められました。

(2)インフルエンザの免疫ある人が少ない
インフルエンザはこの2年は日本国内で流行しなかったため、感染してインフルエンザの免疫を獲得している人の割合が少なくなっていると考えられています。

(3)南半球のオーストラリアで流行
日本とは季節が逆で、インフルエンザの流行の時期が半年ずれる南半球・オーストラリアではことし、コロナが拡大する前と同じ程度のインフルエンザの流行が2年ぶりに起きました。

 

 いずれももっともらしい理由が専門家から語られていますが、ウィルス干渉という現象が起きれば、新型コロナの感染爆発とインフルエンザの同時流行は起きないはずです。

 もし、同時流行が起きるとすれば、ブースター接種によって免疫力自体が相当に低下して、ウィルスが感染しやすくなっているとしか考えられません。つまり、イス取りゲームのイスが増えてしまい、新型コロナウィルスもインフルエンザウィルスもイスを占有できる状態になってしまったのです。

 

       『新型コロナウィルスワクチン接種率の推移【世界・国別】』より

                  図3

 

 図3のように、延べブースター接種率では、オーストラリアも世界平均を大きく上回っています。オーストラリアでは、ブースター接種による免疫力低下によって、インフルエンザの同時流行が発生していた可能性が考えられます。

 そうであれば、延べブースター接種率で、オーストラリアを遙かに上回る日本では、免疫力の低下によって、この冬にインフルエンザの大流行が起きても何の不思議もありません。そして、新型コロナ感染症とインフルエンザの両方に感染する可能があるのは、ブースター接種を繰り返して免疫力が低下した人たちなのです。

 

 厚労省は、この事実を顕在化させないために、オミクロン株対応ワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種を推し進めようとしているのではないかと疑うのは、わたしの考え過ぎでしょうか。(続く)