4回目のワクチン接種は、本当に必要なのか(6)

 新型コロナ感染症の感染拡大が止まりません。7月23日に20万975人の新規感染者(正確にはPCR陽性者)を記録してからも、感染は急拡大の様相を続けています。

 急拡大が進むにつれ、社会には動揺が広がっています。厚労省は、医療従事者や高齢者施設の職員をワクチンの4回目接種の対象から外すとしていた方針を転換し、7月22日には接種の対象に戻すと発表しました。それに伴って、まだ3回目の接種を済ませていない若者を中心とした世代にも、積極的にワクチンを接種するように推奨しています。現在はまだ行動制限については触れられていませんが、このまま感染が拡大すれば、再び「まん延防止等重点措置」や緊急事態宣言の発令を要請する声が上がりかねない状況です。

 わたしたちは、今こそ新型コロナ感染症の現状を冷静に分析して、社会活動を止めることなく生活を維持し、ワクチン依存症からも脱却する必要があります。

 今回のブログでは、急拡大する新型コロナ感染症は、どの程度危険なのかを検討したいと思います。

 

例年インフルエンザは感染が爆発

 新型コロナの感染が急拡大したからといって、わたしたちの生活が即、危険に晒されるわけではありません。季節性インフルエンザを例にあげて考えてみましょう。

 新型コロナ感染症が流行してから下火になっていますが、それ以前は、インフルエンザの感染者は、毎年推定で1,000万人いたと言われています。インフルエンザは冬季にしか流行しませんから、ほんの3,4ヶ月の間に、日本で1,000万人の人がインフルエンザに罹患していたことになります。ものすごい感染爆発だと思いませんか。

 これに対して新型コロナ感染症では、2020年1月からの延べ感染者数が、2022年7月26日の時点で1,171万人になりました。2年半かけて、やっとインフルエンザの数ヶ月の感染者数を超えたところです。数字を比較すると、インフルエンザの感染がいかに凄まじいかが分かります。

 わたしたちがそれに気づかないのは、インフルエンザに対しては、PCR検査を行っていないからです。想像してみて下さい。もし、インフルエンザにPCR検査を行い、それをマスコミが毎日発表していたらどうなるでしょうか。番組中に突然テロップで「本日東京で50万人の感染が確認されました」と速報が流され、ニュース番組のトップニュースで、「日本の新規感染者数は今日は200万人を超えました」などと報道されたら、わたしたちは怖くて一歩も外に出られなくなってしまうでしょう。

 日本のマスコミは、2年半にわたって、このような報道を続けてきたのです。

 

新型コロナ感染症の致死率は

 マスコミがトップニュースにするのは、新型コロナ感染症が、インフルエンザよりも危険な病だからだという反論もあるでしょう。

 2019年の12月に、中国の湖北省武漢で、新型コロナウイルスの集団感染が発覚しました。このときに報道された映像は、人びとに衝撃を与えました。武漢は封鎖され、病院では患者が待合室に溢れ、路上で倒れる人の姿が映し出されたからです。WHOと中国当局専門家による発表では、2020年2月末の時点での致死率は5.8%でしたが、致死率が40~50%だったMERSや、9.6~11%だったSARS以上に危険な感染症だというイメージを、日本の人びとに与えました。

 その後新型コロナ感染症は全世界に広がり、ウィルス自体も次々と変異を繰り返して、感染力の増強と致死率の低下を示すようになりました。デルタ株の時点で0.3~0.5%に低下した致死率は、オミクロン株に至って0.13~0.14%まで低下していると言われています。

 

オミクロン株による死亡者の推移

 では、現在の日本でのオミクロン株の致死率はどうなっているのでしょうか。

 以下の図は、日本でオミクロン株が流行し始めた2021年1月1日から、2022年7月27日までの新規感染者数と死者数の推移を並べて示したものです。

 

                  図1

 

 図1から分かることは、新規感染者数のピークから3週間ほど遅れて、死亡者数のピークが現れていること、そして、その後は感染者数と死亡者数が低い数で推移していることです。

 死亡者数のピークが、新規感染者数のピークから3週間ほど遅れて現れる理由は明白でしょう。感染して重症化し、死に至るまでには数週間という時間を要するからです。

 ピーク後に感染者数と死亡者数が低い数で推移しているのは、ワクチン接種の影響があると思われます。ワクチン接種によって短期的には感染も重症化も抑えられますから、感染者数や死亡者数は抑制されます。しかし、ワクチンの効果は3ヶ月ほどしか持続しませんから、抗体が低下した人が次々と感染し、感染は長期間続きます。そして、重症化予防効果も同様に低下してゆきますから、死亡者数も同様に長期間にわたって維持されることになります。

 ただし、新規感染者数の推移に比して、死亡者数の推移の方が低い値であるのは、ワクチンによる重症予防効果が現れているのかも知れません。この現象を取り上げて、ワクチン接種の必要性を厚労省は訴えているのでしょう。この主張が本当に正しいかは、超過死亡数をみて、副反応も踏めた全体像から判断する必要があります。この点については、また別の機会に検討したいと思います。

 

オミクロン株の致死率は

 では、オミクロン株の実際の致死率を計算してみましょう。

 オミクロン株の感染拡大が始まった、2021年1月1日から2022年7月27日までの感染者数が997万8,264人で、その間の死亡者数が1万3,672人であるため、この間の致死率は、

 

 13,672 ÷ 9,978,264 × 100 ≑ 0.137(%)

 

 になります。この数字は、オミクロン株の致死率である0.13~0.14%に概ね合致しています。

 では、オミクロンのBA.2株とBA.5株の致死率をみてみましょう。2021年1月から増え始めたオミクロン株は2月初旬にピークを迎え、以後なだらかに減少してゆきましたが、2022年6月28日から再び増加に転じています。そこで、2021年1月から2022年6月27日までをBA.2株、2022年6月28日から7月27日までをBA.5株と捉えて、それぞれの致死率を計算してみます。

 

BA.2株

 12,749 ÷ 7,532,697 × 100 ≑ 0.169(%)

 

BA.5株

 923 ÷ 2,445,567 × 100 ≑ 0.038(%)

 

 となります。

 BA.5株は、流行してまだ1ヶ月足らずですから、死亡者数はこれから増加してゆくことになるでしょう。したがって、BA.5株の致死率はこれから上昇すると考えられるため、BA.2株に比べて致死率が低いと断定することはできません。しかし、感染者数の急峻な立ち上がりに比べて、致死率の立ち上がりはなだらかなため、BA.5株の致死率は、BA.2株に比べて低くなることが予想されます。

 

インフルエンザと同様の扱いに

 例年1,000万人の感染者を出していたインフルエンザは、関連死を含めると1万人の死亡者を出していました。つまり、インフルエンザの致死率は0.1%になります。

 これに対して、オミクロンBA.5株の現在の致死率は0.038%です。もちろん、感染拡大に伴って致死率は上昇してゆくでしょう。しかし、これまでのオミクロン株の傾向から、インフルエンザの致死率を大きく超える可能性は少ないと思われます。

 そうであれば、もうそろそろ新型コロナ感染症を、インフルエンザと同様の扱いにするべきです。新型コロナ感染症感染症法の分類が、未だに致死率が40~50%のMERSや、9.6~11%のSARSと同じ二類相当に据え置かれていること自体が信じられません。ちなみにインフルエンザは感染症法の五類に分類されていますから、新型コロナ感染症も五類に格下げし、対応や治療もインフルエンザと同様にすればいいのではないでしょうか。

 

高齢者が入院できないのは

 テレビのニュースでは、相変わらず危機感を煽る報道が続いています。高齢者が新型コロナに感染して高熱を出し、血中の酸素濃度が低下しているにも拘わらず、入院する病床が見つからないなどという切迫した場面の映像を流しています。

 なぜ、こんなことが起こっているのでしょうか。それは、新型コロナ感染症が二類相当に位置づけられているからです。

 二類相当であるため、入院出来る病床は、都道府県が指定した病院に限られています。この縛りがとれれば、世界一の病床数を誇る日本で、入院する病院が見つからないなどという事態は起こるはずもありません。

 もう一つの要因は、濃厚接触者を隔離するという慎重すぎる対応を、未だに続けていることです。そのため、発症もしていない医療従事者が自宅待機になり、ベッドが空いていても入院患者を受け入れられないという珍事が起こっています。

 政府が続ける新型コロナ感染症の二類相当という縛りが、治療の必要な重症者の入院を阻み、助けられるはずの命を失わせているのです。

 マスコミは危機感を煽るだけで、なぜこうした問題点を取り上げないのでしょうか。(続く)