日本人はなぜ自立できないのか(1)

 これまで約1年半にわたって、mRNAワクチンの危険性と問題点について述べてきましたが、この検討を通して明らかになったことがあります。それは、日本人が自分の頭で考え、自分で判断し、それに基づいた行動をとって来なかったことです。

 冷静になって考えてみて下さい。ウィルスの遺伝子を自分の体の中に入れることがどれほど危険なことか。専門的な知識がなくても、分かることではありませんか。たとえ最初は分からなかったとしても、ワクチンの危険性を示す事象が次々と現れた事実を見逃さなければ、途中からでもワクチン接種をやめることはできたでしょう。そして、世界の情勢に目を向ければ、日本がいかに異常な新型コロナ政策をとってきたかが理解できたはずです。

 しかし、日本人は、政府や厚労省、そして御用学者が用意したワクチン政策をそのまま盲信しました。その結果、元来新型コロナ感染症に最も強かった日本国民は、ワクチンを世界一接種することによって逆に免疫を失い、最終的にはいつまでも感染拡大と超過死亡を生み続ける、世界で最も新型コロナウィルスに弱い国民になってしまいました。

 つまり日本人は、もともと持っていた新型コロナ感染症に対するアドバンテージをすべて使い果たしたばかりか、世界の最後進国へと転落してしまったのです。

 なぜ日本人は、このような愚かな行動しかとれなくなってしまったのでしょうか。

 

ワクチンを盲目的に打ち続けた日本人

 日本人は、mRNAワクチンを世界で一番接種してきました。そして5月8日から、さらに6回目の接種を始めました。

 以下は、これまでに何度も取り上げてきた延べブースター接種率(人口100人当たりの追加接種回数)を示したグラフです。

 

    『新型コロナウィルスワクチン接種率の推移【世界・国別】』より

                  図1

 

 図1のように、世界各国がワクチン接種を行わなくなっているなかで、日本だけが突出してワクチン接種を続けていることが分かります。日本人は政府や厚労省や御用学者の言うことをそのまま信じ、黙々とワクチンを打ち続けてきました。

 次は、5月16日時点での、各国の延べブースター接種率(人口100人当たりの追加接種回数)の比較です。

 

    『新型コロナウィルスワクチン接種率の推移【世界・国別】』より

                  図2

 

 図2のように、日本の延べブースター接種率は141.3%で、アルゼンチンの80.2%、韓国の79.7%を遙かに引き離しています。この数字をみれば、日本がいかに特異な国であるかが分かるでしょう。そして、日本人の多くは、自分たちが世界中で一番ワクチン接種していることすら知らないのではないでしょうか。

 それに比べて、アメリカの延べブースター接種率を見て下さい。わずか39.3%です。mRNAワクチンを販売しているファイザーとモデルナの本社があるアメリカでは、mRNAワクチンの延べブースター接種率は日本の3分の1以下なのです。

 これは何を意味しているのでしょうか。

 

アメリカ人は自分で判断している

 アメリカでもCDC(アメリカ疾患予防管理センター)が、ワクチン接種を推奨してきました。また、バイデン大統領は、ワクチン接種を推進し、自らもワクチン接種を実践して見せました(2022年3月30日に4回目の接種を受ける様子を報道陣に公開しましたが、皮肉にもその直後に新型コロナに感染しています)。

 また、テニスのノバク・ジョコビッチ選手が、ワクチンを接種していないためアメリカに入国できずに、2022年の全米オープンテニスに出場できなかったことは、まだ記憶に新しいところです。

 アメリカ政府の首席医療顧問として新型コロナ対策にあたってきたアンソニー・ファウチ氏は、2022年11月23日の退任を前にした記者会見で、「社会的な分断やイデオロギーの違いから、ワクチンを打たない人を見るのは医師として心が痛む。私はコロナに感染したり、亡くなったりする人を誰も見たくない」と語り、最後までワクチン接種の必要性を訴え続けました。

 このようにアメリカ政府は、ワクチンの接種を積極的に推奨し続けました。しかし、アメリカ国民はワクチン接種が本当に有効であるのか、そして安全であるのかを自ら判断し、接種するのかどうかを決めていたのでしょう。その結果として、延べブースター接種率が40%に満たないという状況になっているのです。

 

BBCに抗議するイギリス人

 イギリスでは、BBCのワクチン報道に関して、国民の抗議行動が起こっています。小島勢二名古屋大学名誉教授によれば、それは次のようです(『アゴラAGORA 言語プラットホーム』2023.4.19 より)

 前回のブログでも検討したように、イギリスも日本と同様に、2022年は超過死亡数が激増しています。これに対して、BBCが超過死亡数の増加にワクチン接種の関与はないと報道しました。しかし、2022年の中頃から新型コロナ感染症よる死亡者が減少しているのに、2022年の後半から超死亡数が増え続けています。そして、2023年に入ってもこの傾向が続いていることから、いよいよワクチン接種の影響が無視できなくなりました。

 こうした流れの中で、国民のBBCへの抗議が始まりました。

 

        『アゴラAGORA 言語プラットホーム』2023.4.19 より

                  写真1

 

 写真1は、BBCへの抗議集会の様子です。ちなみに”SHAME ON YOU”とは日本語に訳すと “恥を知れ“という意味です。

 

        『アゴラAGORA 言語プラットホーム』2023.4.19 より

                  写真2

 

 写真2は、BBCビルに大量に貼られた、ワクチン接種被害者の顔写真です。

 このようにイギリスでは、超過死亡数の激増に対する検証が進められており、間違った報道には国民の徹底した抗議行動が行われているのです。

 

何も知らされていない日本人

 では、わたしたち日本人はどうでしょうか。

 日本がmRNAワクチンの追加接種率が世界一であることや、超過死亡数が戦後最悪になっていることを、ほとんどの人が知りません。わたしが日々診療をしている患者さんはもちろん、実習を受けに来る医学生や研修医ですら事情は同じです。この話をすると、みな一様に驚くことからそれが分かります。すべて確かめたわけではありませんが、同僚の医師でさえ、知らない人の方が多いのではないでしょうか。なぜなら、みな何の疑問も持たずに、ワクチン接種を毎回受けているからです。

 ワクチン接種に関する報道は、公正に行われていません。大手メディアはテレビも新聞も、ワクチンの効能ばかりを伝え、その危険性や問題点を一切報道しません。ワクチンは有用であり安全であるという情報のみが流されています。ワクチン接種後に多くの重篤な副作用が出ていること、接種後に2,000人以上の人が亡くなっていること、そして、ワクチン接種が始まった2021年から超過死亡数が激増していることは、ほとんどの国民が知らされていません。一方で、インターネットで流されるこうした情報は、「陰謀論に基づいたデマである」として片付けられているのです。

 

事実をねじ曲げて報道

 政府や厚労省、そして主要メディアの情報操作によって、mRNAワクチンの真実が伝えられなのは事実です。それどころか、情報を意図的にねじ曲げ、自分たちの都合のいいように伝えることさえ珍しくありません。

 NHKは、5月15日の報道番組「ニュースウオッチ9」のエンディングで、「新型コロナ5類移行1週間・戻りつつある日常」として、遺族3人の声を紹介しました。番組ではただ遺族としか紹介されていなかったため、視聴者は当然「新型コロナ感染症で亡くなった方の遺族」と認識したでしょう。わたしもこの番組を観ていましたが、新型コロナの遺族の方だと思いました。

 ところが、映像に写されたのは、実はワクチン接種後に亡くなった方のご遺族だったのです。遺族を紹介した団体や事実に気づいた一般視聴者からの猛抗議を受け(わたしの妻も抗議のメールを送りました)、NHKは翌16日の同番組の中で、「ワクチンが原因で家族が亡くなったと訴えている遺族の方の思いを報じず、コロナウイルスに感染して亡くなったと受け取られるように伝えてしまった」と謝罪しました。そのうえでNHKは、「担当者が、新型コロナ禍を振り返り、ご遺族の思いを伝える趣旨からは外れていないと考えて放送したが、認識が不十分だった」と説明しています。

 NHKの報道は、本当に「ご遺族の思いを伝える趣旨からは外れていない」でしょうか。ご遺族の方は、「新型コロナが5類に移行して戻りつつある日常」を伝えたかったのではなく、むしろ「ワクチン接種によって突然家族を奪われた悲しみと苦しみ」を訴えたかったのではないでしょうか。

 NHKの報道には、ワクチンの被害を隠蔽しつつ、日常生活が戻りつつあるという印象を作り出そうとする、悪質な意図が隠されているように思えてなりません(制作者が、このことをどれだけ意識していたかは分かりませんが)。

 

 以上のような、報道の問題があるのは事実です。しかし、本当の問題は、こうした偏った報道を盲信し、自分で真実を探ろうとしない日本人の姿勢にあるのではないかと考えられます。(続く)