4回目のワクチン接種は、本当に必要なのか(9)

 2022年の超過死亡数の増加が止まりません。1月から4月までの超過死亡数が3万8,133人であったのが、5月には4万3,985人にまで達しました。マスコミは、新型コロナ感染症の新規感染症者数と死亡者数の発表に躍起になっていますが、本当に重要なのは超過死亡数の検討です。たとえば、2020年の日本のように、新型コロナ感染症が流行しても超過死亡者数が減少していれば対策は成功しているのであり、部分的な対策が成功したとしても、2021年のように超過死亡数が増加していれば、対策は全体的には失敗していることになります。

 2022年の超過死亡数が増加を続けているとすれば、新型コロナ感染症の対策に重大な欠陥が存在しているはずです。

 前回のブログでは、新型コロナ感染症が未だに感染症法の二類相当として扱われているために、地域の中核病院の病床が逼迫し、他の重症疾患の治療が行えなくなっていたことと、感染が拡大する度に行動の自粛を要請したために、高齢者の老衰死が助長されたことを指摘しました。

 今回のブログでは、いよいよ超過死亡数とワクチンの関係について検討したいと思います。

 

感染が終息した唯一の時期

 ワクチン接種が始まってから、新型コロナ感染症が終息した唯一の時期がありました。この時期を検討することで、ワクチン接種が超過死亡数に与えた直性の影響を明らかにすることができると考えられます。

 以下は、2021年のワクチン接種率、新型コロナ感染以外の超過死亡数、新型コロナの新規感染者数を現したグラフです。

 

                  図1

 

 図1を概観すると、ワクチン接種の進展と、新型コロナ感染の拡大と終息との関係から、2021年を以下の3期に分けることができます。

Ⅰ期(1月から5月まで):新型コロナ感染症の第3波と第4波によって感染拡大が繰り返される一方で、ワクチンはまだほとんど接種されていなかった時期(5月31日時点の2回接種率3.2%)。

Ⅱ期(6月から9月まで):新型コロナ感染症の第5波で感染が急拡大し、同時にワクチンの大規模接種が開始されて接種率が上昇した時期(9月30日時点の2回接種率62.2%)。

Ⅲ期(10月から12月まで):感染がほぼ終息して医療現場が通常の状態に戻り、行動制限が緩和された一方で、ワクチン接種はさらに進行した時期(12月31日時点の2回接種率79.1%)。

 Ⅲ期が、感染がほぼ終息し、しかもワクチン接種が進んだ時期です。この時期には病床の逼迫は解消し、行動の自粛も段階的に緩和されました。そのため、Ⅲ期における超過死亡の原因として、一番に考えられるのがワクチン接種の影響です。

 

疾患別の超過死亡数

 以下は、『日本の超過および過小死亡数ダッシュボード(日本の超過死亡数・過少死亡数 | exdeaths-japan.org)』から算出した、上述のⅠ期からⅢ期までの、疾患別の超過死亡者数です。

 

                  図2

 

 図2で、Ⅲ期の新型コロナ感染症以外の超過死亡数が、月平均で3,010人(期間全体では9,029人)に上っています。この期間全体の狭義の新型コロナ関連死(新型コロナ感染症死)は、741人でした。Ⅲ期には、狭義の新型コロナ関連死の実に12倍もの超過死亡数が出ているのです。

 また、ワクチン接種がほとんど進んでいなかったⅠ期と比べると、Ⅲ期では循環器系疾患、呼吸器系疾患、悪性新生物、その他で超過死亡数が増加し、逆に老衰と自殺では減少しています。

 Ⅲ期で進んだワクチン接種によって、以上のような超過死亡者数の増加が起こりうるのかを検討してみましょう。

 

重篤な心筋炎が多発している

 厚労省のワクチン分科会が、ワクチン接種と唯一因果関係を認めているのが、心筋炎です。心筋炎の発症機序はまだよく分かっていませんが、以下のような病理過程が想定されます。

 これまでのワクチンが皮下注射だったのに対して、mRNAワクチンは筋肉内に注射されます。なぜ筋肉注射かというと、新型コロナワクチンのmRNAを筋肉の細胞内に注入し、筋肉細胞の中で新型コロナワイルスのスパイクタンパク質を作らせるためです。

 しかし、肩に筋肉注射されたワクチンは、想定とは違ってそこに留まりません。筋肉は動きますから、これがポンプの働きをしてワクチンを筋肉の外に押し出します。押し出されたワクチンは、筋肉細胞間の組織液→リンパ管→リンパ節→リンパ本幹→上大静脈→心臓→肺→心臓→大動脈 という経路を通って全身に運ばれます。運ばれたワクチンは、全身の臓器を巡ります。肩の筋肉に留まるmRNAは、ワクチン全体の25%程度だと言われています。

 もし、全身を巡ったmRNAが心臓の筋肉に取り込まれたらどうなるでしょうか。mRNAが入り込み、スパイクタンパク質を作り始めた心筋細胞は、免疫反応によって非自己の細胞と見なされるようになります。非自己と見なされた心筋細胞は、細胞傷害性T細胞(キラーT細胞)から攻撃を受けます。攻撃を受けた心筋細胞は破壊され、破壊された細胞や放出されたスパイクタンパク質は、マクロファージや好中球によって処理されます。これが、mRNAワクチン接種後に起こる心筋炎の機序ではないかとわたしは考えています。

 ワクチン接種後に心筋炎を発症して亡くなった事例として、中日ドラゴンズの木下選手が有名です。同様に、スポーツ選手が重篤な心筋炎を発症した例が世界中で報告されていますが、それは彼らが注射部位の筋肉を強く動かすことと関係しているのではないでしょうか。

 図2で、Ⅱ期から循環器系疾患で超過死亡者数が急増している中には、以上のような機序で発症した心筋炎が含まれていると思われます。

 ワクチン接種後に発症する疾患は、心筋炎にとどまりません。以下に、mRNAワクチンが身体に及ぼす影響と、その影響がもたらす疾患について述べてみたいと思います。

 

スパイク抗原が2ヶ月後も体内に残っている

 厚労省はホームページで、「mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンで注射するmRNAは、数分から数日といった時間の経過とともに分解されていきます」と説明し、ワクチンに対する不安を払拭しようとしています。これは、本当に正しい情報でしょうか。

 現在使用されているmRNAワクチンには、メチル基が化学修飾された長寿命のmRNAが使用されており、通常のmRNAのように短時間で分解されることはありません。

 mRNAワクチンの技術開発に多大な貢献をしたロバート・マローン博士は、新型コロナワクチンの危険性をたびたび訴えています。Cell に掲載された 論文(Immune imprinting, breadth of variant recognition,and germinal center response in human SARS-CoV-2infection and vaccination)を解説する中で、マローン博士は次の重要な二つの点を指摘します。

 

・コロナワクチンのスパイク抗原とmRNAが、リンパ節胚中心で2ヶ月間持続している。

・スパイクタンパク質生産量は、重症のコロナ患者より多い

 

 もし、これらが事実であったとしたら、どのような事態が起こるのでしょうか。

 

スパイクタンパクによって血管が傷害され続ける

 米国のソーク研究所のグループが、2021年3月の Circulation Research に、スパイクタンパク質が単独で細胞に侵入し、細胞内のミトコンドリアを断片化すると発表しました。これは、非常に重大な発見です。

 新型コロナウィルスは、通常は血管のACE2受容体に結合して細胞内に侵入します。この研究によって、ウィルスのスパイクタンパク質が単独でACE2受容体から血管の内皮細胞に侵入し、しかも細胞を傷害することが分かったのです。そうであれば、mRNAワクチンによって誘導されたスパイクタンパク質が、直接血管内皮細胞を傷害するのです。

 血管内皮が傷害されると、血管が破綻されて出血が起こったり、これを防ごうとして血管内に血栓が形成されます。つまり、mRNAワクチンによってスパイクタンパク質が大量に作られると、スパイクタンパク質それ自体によって血管が傷害され、出血や血栓が起こることになります。

 もし、ワクチン接種後に、スパイク抗原とmRNAが2ヶ月以上にもわたって存在し続けたらどうなるでしょうか。全身の血管が傷害され、出血や血栓が多発することになります。その結果、心筋梗塞や動脈解離などの循環器系疾患や、血栓症による間質性肺炎、さらに脳梗塞脳出血などの脳血管障害を誘発することになるでしょう。

 図2で示されるように、循環器系疾患や呼吸器系疾患の超過死亡数が増加しているのは、スパイクタンパク質によって誘発される血管の傷害が原因になっていると考えられます。また、「その他」の超過死亡数が増加しているには、脳梗塞脳出血といった脳血管性疾患が増えているからではないでしょうか。

 

免疫全般が抑制される

 ワクチン接種後の副反応として、もう一つ重要なものが免疫の抑制です。

 メチル基が化学修飾された長寿命のmRNAによって、ワクチン接種後には多量のスパイクタンパク質が体内で作られ続けます。このスパイクタンパク質に反応して、抗体が多量に作られます。また、長寿命のmRNAが細胞内に残ることによって、自己細胞を異物と見做して細胞傷害性T細胞(キラーT細胞)が活性化されます。前者が体液性免疫、後者が細胞性免疫と呼ばれる免疫反応です。mRNAワクチンは、体液性免疫と細胞性免疫を共に賦活することによって、高い感染予防効果と重症化予防効果を発揮すると喧伝されています。

 ところが、実際の身体の中では、行き過ぎた体液性免疫と細胞性免疫にストップをかけるために制御性T細胞が働き出します。この働きによって、ワクチン接種後のわずか3ヶ月には抗体値は約1/4に、6が月後には10%以下に低下することが分かっています。さらに制御性T細胞は、細胞性免疫や自然免疫も同時に抑制します。その結果として、ワクチン接種からわずか半年後には、免疫機能全般が抑制されると想定されているのです。

 当初mRNAワクチンは、2回接種で完了するはずでした。ワクチンを2回接種すれば、少なくとも1年間は効果が持続すると専門家は口をそろえました。「10年間は大丈夫だ」などとテレビで解説するエセ専門家もいたほどです。ところが、現実には4回目の接種が始まり、5回目接種の準備が始まっているのは、ワクチンの効果が短期間で失われることの何よりの証左でしょう。

 

自然免疫が低下する

 免疫が低下するという現象の中で、特に重要なのが自然免疫の低下です。

 mRNAワクチンは、そもそも自然免疫を賦活化しません。それは、ワクチンを筋肉注射することとも関係しています。

 通常のワクチンは皮下注射です。皮下に注射される毒性を弱められた、または死滅した病原微生物は、マクロファージや樹状細胞といった自然免疫の細胞に取り込まれます。その情報によって細胞傷害性T細胞の活性化や、形質細胞による抗体産生が起こるのですが、マクロファージや樹状細胞といった自然免疫の細胞の賦活も同時に起こっています。

 一方、mRNAワクチンは筋肉内に注射され、筋肉を始めとしたさまざまな細胞の中でスパイクタンパク質が生成されます。生成されたスパイクタンパク質が、体液性免疫や細胞性免疫を賦活するという仕組みです。このように、mRNAワクチンは自然免疫の賦活過程を省略しています。

 このことに加えて、mRNAワクチンが制御性T細胞を誘導するために、自然免疫はさらに抑制されることになります。こうしてmRNAワクチンは、自然免疫を賦活化させないばかりか、接種前の状態よりも却って自然免疫を低下させるのです。

 

感染症死が増加する

 自然免疫は、細菌やウィルスに対する最初の防波堤です。そのため自然免疫の低下は、感染に対する防御機能の低下に繋がります。加えて体液性免疫や細胞性免疫までが抑制されれば、感染した細菌やウィルスによって感染症は重症化します。こうして感染症が増加するだけでなく、重症化した感染症によって亡くなる人が増加することが予想されます。

 免疫力全般の低下は、接種後3ヶ月頃から始まり、6ヶ月以降に顕著になると想定されてきました。4回目のワクチン接種が、3回目接種から5ヶ月以上経っていることが条件とされているのは、免疫力が低下する時期を考えてのことです。

 図2をみると、Ⅰ期の呼吸器系疾患の超過死亡者数の月平均が-234人だったのに対して、ワクチンの集団接種が始まったⅡ期に入ると1,165人に急増しています。スパイクタンパク質によって誘発された微小血栓が肺に蓄積する間質性肺炎が、この時期に多発した可能性はあります。しかし、それだけではこの時期の呼吸器系疾患の超過死亡者数の急増は説明できないでしょう。やはり、細菌性肺炎などの通常の肺炎が増加している可能性があります。

 そうであれば、ワクチン接種による免疫力の低下は、想定より早い時期から起こっていると考えなければなりません。

 

悪性腫瘍の増殖を助ける

 mRNAワクチンの副反応で、血管内皮細胞が傷害されること、感染症が増加することにやや遅れて起こる反応が、悪性腫瘍の増殖が助長されることです。

 わたしたちの体の中では、がん細胞は常に発生しています。がん細胞が増えて大きくならないのは、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)、ナチュラルキラーT細胞(NKT細胞)、樹状細胞などの自然免疫ががん細胞を察知して破壊しているからです。

 そのため、mRNAワクチンによって自然免疫が抑制されれば、がん細胞が発生しやすくなる可能性があります。

 さらに免疫の抑制は、がん細胞の増殖にも大きな影響を与えます。

 増殖したがん細胞は、制御性T細胞を利用して自然免疫や細胞性免疫からの攻撃を防いでいることが分かっています。

 以下は、それを現したシェーマです。

 

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                  図3

 

 図3のように、制御性T細胞(Treg)は、胸腺からナイーブ制御性T細胞(naïve Treg)として末梢に出て、抗原刺激によりエフェクター制御性T細胞(effector Treg)に成長します。がん細胞は、なんとこのeffector Tregを利用し、免疫機構をすり抜けて生き延びています。

 腫瘍局所では末梢血に比べてeffector Tregが多く、より活性化していることが分かっています。活性化したTregは、樹状細胞の成熟を抑制し、がん細胞を攻撃する細胞傷害性T細胞(CTL)を抑制し、破壊します。こうしてがん細胞は、Tregを取り巻きにして、免疫からの攻撃を防いでいるのです。

 mRNAワクチンによって、制御性T細胞が活性化されます。その結果、がん細胞が生き残り、さらにがん細胞の増殖を助ける危険性が高くなっています。

 図2において、Ⅰ期からⅡ期、そしてⅢ期にかけて、悪性新生物の超過死亡数が徐々に増加しているのは、ワクチン接種にによって、がん細胞が発生して増殖しやすい環境に、体内が誘導されているからだと考えられるのです。

 

ブースター接種と超過死亡数

 最後に、ブースター接種と、同じ時期の超過死亡者数の関係を見てみましょう。

 

                  図4

 

 図4のように、2022年に入ってからも、ワクチン接種と超過死亡数の増加は奇妙な一致を見せています。

 

 それでもあなたは、4回目のワクチンを接種しますか?(続く)