なぜブースター接種は、今すぐ打ち止めにすべきなのか(8)

 これまでのブログで、mRNAワクチンには長期的には感染予防効果も、致死率を下げる効果もないことを検証してきました。そのため、現在行われているワクチン接種は即刻中止するべきであり、新型コロナ感染症感染症法上の5類に格下げして、どこの病院でも診療ができるようにする必要があります。

 ところが、厚労省はブースター接種を推進し、5月下旬からは4回目の接種を始める準備を始めました(さすがに、60歳未満と医療従事者は対象から除外しましたが)。岸田政権は、新型コロナ感染症を5類に格下げする議論は、日本医師会の顔色を窺って参議院選挙後に先延ばししました。政治家も官僚もそして日本医師会も、国民のためには何が必要であるかを、真剣に考えるつもりはなさそうです。そうこうしているうちに、ブースター接種率はついに55%を超えてしまいました。自分の健康は自分で守るしかない。残念ですが、これが日本の現状です。

 今回のブログでは、このテーマの最後に、mRNAワクチンによってすでに現れている重篤な副反応について、超過死亡数をもとに検討したいと思います。

 

世界のコロナの死者は実は3倍?

 5月5日にWHO(世界保健機関)は、「新型コロナ感染症で亡くなった人は、実は3倍も多かった」とするレポートを発表しました。

 2020年と21年の超過死亡数が、世界で1490万人にのぼることが分かりました。その期間に新型コロナ感染症で死亡したと報告された人数が約540万人だったため、WHOは新型コロナ感染症で亡くなった人は実際には2.8倍もいたと言うのです。この「隠れたコロナ死」については、新型コロナの感染拡大によって医療体制が逼迫して他の病気の予防や治療に影響が出たことや、新型コロナ感染症と診断されないまま亡くなった人も多くいたのではないかとWHOは指摘しています。

 日本でも医療体制の逼迫は大きな影響を及ぼしましたが、感染症法の2類相当に指定されている現状では、新型コロナ感染症と診断されずに亡くなった人が相当数いたとは考えられません(日本はPCR検査のCt値が40から45と他国より高いため、むしろ過剰に診断された可能性すらあります)。

 それにしても、超過死亡数が増加した要因の中に、遺伝子ワクチンによる死亡が指摘されていないのはどういうことでしょうか。ワクチンによる直接死だけでなく、副反応で生じる他疾患の増加も併せれば、その数は相当数に上るはずなのにも拘わらずです。

 新型コロナ感染症が発覚した時期の中国寄りの報道や、PCR検査を診断に使用して感染拡大をいたずらに煽ったこと、そしてワクチンの副反応を覆い隠そうとするかのような今回の報道によって、WHOは決して客観的で中立的な組織ではないことが、改めて示されたのではないでしょうか。 

 

ワクチンの影響が端的に表れた時期

 WHOが指摘するように、超過死亡数の増加に、ワクチン接種は本当に関係していないのでしょうか。

 以下は、超過死亡数とワクチン接種の時期、そして新型コロナ感染症による死亡の関係を表すグラフです。

 

                   図1

 

 図1のように、新型コロナの死亡者の波と超過死亡数の波は、概ね一致しているのが分かります。先のブログでも指摘したように、これは新型コロナ感染症による死亡者の増加が原因でありません。2021年の超過死亡数が47,481人であるのに対して、同年のコロナ関連死は14,901人です。両者の差である3万2千人あまり人は、新型コロナ感染症以外の原因で亡くなっているからです。

 第3波、第4波、第5波と新型コロナ感染症の感染が拡大する度に、新型コロナ感染症の重症患者が国公立病院の重症病床を占有しました。そのため、その他の重症疾患の治療が充分に行えませんでした。このように新型コロナ感染症の治療が優先されたため、本来は救えたはずの命が救えなかったことが、超過死亡数を増加させた一因であったと考えられます(この点は、WHOの見解と一致します)。

 ところで、第5波が終息した11月以降は、新型コロナ感染症による死亡者数はほとんど見られなくなりました。この時期には病床の圧迫が解消し、超過死亡数に新型コロナ感染症の影響がほとんどなくなっています。

 そのため、2021年11月の超過死亡数の増加に最も影響を与えているのは、この時期に接種が進んだワクチンだったのではないかと考えられます。

 

新型コロナ以外の超過死亡数が急増

 日本の超過および過小死亡数ダッシュボード(日本の超過死亡数・過少死亡数 | exdeaths-japan.org)で、2021年11月の死因別の超過死亡数が発表されました。

 ワクチン接種の直接的な影響を検討するために、ワクチン接種がまだ進んでいない2021年の1月から5月(5月31日の時点で2回接種率3.2%)と、ワクチン接種が進んだ11月(11月30日の時点で2回接種率77.3%)の超過死亡数を比較してみましょう。

 

                  図2

 

 図2のように、ワクチン接種が進んだ2021年11月に、新型コロナ感染症以外の疾患で2,770人もの超過死亡が発生しています。11月には新型コロナ感染症関連死は激減し、病床の逼迫も解消されていましたから、この増加はワクチン接種の影響が最も大きいと考えることができます。新型コロナ感染症が拡大していた同年の1月から5月の超過死亡数の平均と比較しても、1,100人以上増加しています。

 このようにワクチン接種による超過死亡数の増加は、病床逼迫などの要因よりも大きいことが分かります。1ヶ月で2,770人という数を単純に1年に換算すると、33,240人にも上ります。ブースター接種が進めば、この数字はさらに増加する可能性があるでしょう。

 

呼吸器系疾患が急増

 2021年11月の超過死亡数で目立つのが、呼吸器系疾患です。同年の1月から5月までの超過死亡数の1ヶ月平均が-234.2人なのに対して、11月の超過死亡数は447人でした。両者を比較すると、681.2人の増加になります。

 1月から5月までの呼吸器系疾患の超過死亡数がマイナスであったのには、次の二つの理由が考えられます。

 一つは、通常の肺炎での死亡が、新型コロナ感染症での死亡とカウントされている可能性です。死亡の原因は、PCR検査をして陽性ならば、すべて新型コロナウィルス感染症としてカウントされます。しかも、日本のPCR検査のCt値は40~45と高値であり、ウィルスのRNAのほんの一部を拾ってしまう精度です。そのため、細菌性の肺炎でも、咽頭部にウィルスの破片があっただけで、新型コロナ死として扱われた可能性があります。

 

感染予防を徹底しても

 二つ目の理由は、手洗いやうがい、マスク着用や密を回避することなど、新型コロナ感染症を予防するために徹底された行動が、肺炎などの呼吸器疾患の発症や悪化を防いだ可能性です。さらに、病院や老人施設などで口腔ケアが徹底されれば、肺炎の発症を少なくすることができたでしょう。

 2021年の1月から5月に呼吸器系疾患が減少したのは、二つ目の理由の方が大きかったと思われます。しかし、そうした状況においても、11月に肺疾患の超過死亡数が増加したことは大きな問題です。感染予防を徹底していたにも拘わらず、呼吸器疾患の(多くは肺炎の)死亡を防げなくなっていることを意味するからです。その原因は、先のブログで指摘したように、mRNAワクチン接種によって全ての免疫(特に自然免疫)が抑制されるからだと考えられます。

 

脳血管性の疾患が増加?

 2021年11月に、呼吸器系疾患と同様に超過死亡数が増えているのがその他の疾患です。その内容は記されていないため、日本人の死因から類推するしかありません。

 以下は、2020年における日本人の死因割合です。

 

                 図3

 

 図3の死因のうち、超過死亡ダッシュボードで記された循環器系疾患、呼吸器系疾患、悪性新生物、老衰、自殺を除くと、残ったものは脳血管疾患、不慮の事故、腎疾患、認知症などになります。行動の自粛が推奨されていた時期ですから、不慮の事故はむしろ減少していたかも知れません。そのため、この中で超過死亡数が増加した疾患は、脳血管疾患と腎不全、そして認知症が考えられます。この中で注目されるのは、脳血管疾患と腎不全です。腎臓は血管の塊のような臓器ですから、両者に共通するのが、血管が傷害される病態ということです。

 

全身の血管が傷害される

 2021年11月の循環器系疾患の超過死亡数は676人であり、新型コロナ感染症以外の疾患の中で最多です。同年の1月から5月の超過死亡数の平均より少ないのは、この期間では新型コロナ感染症による病床逼迫のため、一刻を争うことの多い心疾患の治療ができなかったことの現れでしょう。

 さて、循環器系疾患、脳血管性疾患、腎疾患によって超過死亡数が増加してたとすれば、その原因はmRNAワクチンに求めることができます。mRNAワクチンによって作られるスパイクタンパク質は、血管の内皮細胞を傷害することが知られています。しかもメチル基が改変されたmRNAワクチンは1ヶ月以上分解されずに体内に残り、スパイクタンパク質を作り続けます。その結果、大量に作られたスパイクタンパク質によって血管が傷害され、心臓や脳、腎臓といった臓器で出血や血栓症が起こったと考えられるのです。

 

現在の副反応は序章に過ぎない

 以上は、すでに明らかになりつつある重篤な副反応です。しかし、これは今後に現れるであろう重篤な副反応の序章に過ぎません。

 ブースター接種を行えば、免疫はさらに抑制されます。そうなれば、肺炎などの呼吸器系の疾患にとどまらず、様々な感染症が増加することが予想されます。既に帯状疱疹や梅毒といった疾患の、これまでにない増加が報告されています。また、4回目の接種を行えば、高齢者の肺炎による死亡はさらに増加するでしょう。

 免疫力の低下は、感染症の増加にとどまりません。2021年の時点では明らかになっていませんが、今後は悪性新生物(がん)の急激な進行が報告されたり、悪性新生物の新たな発症が増加するでしょう。

 

自己免疫性疾患から次世代への影響まで

 ワクチンのmRNAが長期間細胞内に残ることによって、細胞傷害性T細胞(キラーT細胞)が自らの細胞を攻撃する状態が起こっている可能性があります。すでに現れている心筋炎は、ワクチンのmRNAが心筋に取り込まれることによって発症している可能性があるとわたしは考えています。

 ワクチンのmRNAがDNAの中に取り込まれてしまった場合(既に試験管の中で起こることが確認されています)には、自己免疫性疾患と同じように、臓器の細胞が自らの免疫によって傷害されることが起こります。

 さらに、DNAへの取り込みが生殖細胞で起こった時には、その影響は後世にまで続くことになります。

 

 以上のようにmRNAワクチンは、中長期的、俯瞰的にみれば何のメリットもないばかりか、今後に重大な副反応が生じる可能性が高いことが想定されます。

 そのため、mRNAワクチンの接種は、高齢者の4回目の接種を中止するのはもちろんのこと、現在進行形で進んでいるブースター接種も、今すぐ打ち止めにしなけらばならないと考えられるのです。(了)