日本政府はなぜ危険なワクチンを買い続けているのか(1)

 これまでのブログで検討してきたように、mRNAワクチンは一時的な発症予防効果と重症化予防効果しかなく、半年経過するとこれらの効果が接種前より低下することが明らかになってきました。半年後には却って感染拡大を起こすため、ワクチン接種を5ヶ月ごとに繰り返さねばならなくなり、最近ではその期間は3ヶ月に短縮されています。一時的なワクチンの効果を求めてワクチン接種を繰り返す、それはまるでワクチン依存症のようです。

 問題はそれだけではありません。ワクチン接種開始後から超過死亡数が激増しています。その原因として、mRNAワクチンから産生されるスパイクタンパクによる血管の傷害、mRNAが入り込んだ自己細胞への細胞性免疫の攻撃、免疫力の低下による感染症の増大および癌の進行などが考えられます。

 季節性インフルエンザと同程度まで致死率が低下した新型コロナ感染に対して、これほど問題のあるワクチンを打つ必要が本当にあるのでしょうか。それなのに日本政府は、7回目まで接種できるようにワクチンの契約を行っているといいます。

 なぜ日本政府は、これほど危険なワクチンを購入し続けているのでしょうか。

 

不安、恐怖感を煽ったマスコミ

 今回の新型コロナ感染症に対するマスコミの報道は、事実を客観的に伝える姿勢を欠き、事態を仰々しく誇張して伝え、いたずらに人びとの不安感や恐怖感を煽る内容に終始しました。

 2019年の12月に、中国の湖北省武漢で、新型コロナウイルスの集団感染が発覚しました。このときに報道された映像は、人びとに衝撃を与えました。武漢は封鎖され、病院では患者が待合室に溢れ、路上で倒れる人の姿が映し出されたからです。WHOと中国当局専門家による発表では、2020年2月末の時点での致死率は5.8%でしたが、致死率が40~50%だったMERSや、9.6~11%だったSARS以上に危険な感染症だというイメージを、日本の人びとに与えました。

 その後の欧米諸国の感染爆発も、マスコミによってセンセーショナルに報道されました。不安・恐怖感を煽った番組は高い視聴率を獲得したため、各局はいかに不安・恐怖感を煽ることができるかに腐心したかのようでした。

 

重症者だけを報道

 各局とも人びとが注目を集めやすいニュース、すなわちセンセーショナルな出来事を競って報道しました。

 大学病院や総合病院の集中治療室にカメラが入り、新型コロナ感染症で重症に陥り、人工呼吸器や ECMO(体外式膜型人工肺 extracorporeal membrane oxygenation)を装着した患者さんが画面に映し出されました。そして、亡くなった人や、回復しても重篤な後遺症が残った人ばかりが報道されました。新型コロナは感染しても8割が無症状で、発症しても重症になる人はごく一部だったのにもかかわらずです。デルタ株の時点で致死率は0.3~0.5%にまで低下していましたが、依然としてこうした恐怖感を煽るような報道が続けられました。

 お昼のワイドショーの役割も重要でした。パンデミックに陥った海外の映像と、国内の重症者の映像を流した後で、専門家と称する医師が登場し、新型コロナの危険性と感染予防の重要性を「専門的」に説明し、最後にワクチン接種の必要性を訴えかけました。そして、芸能人達が一般視聴者の代弁者として参加し、不安と恐怖を煽る発言を付け加えました。

 ワイドショーが、中高年の主婦層や高齢者たちに、新型コロナへの恐怖感を繰り返し植え付けた罪は大きいと思います。

 

科学者という名の扇動者

 テレビに登場した医師や科学者たちは、客観的な意見述べる立場にありながら、なぜか不安・恐怖感を煽る発言を繰り返しました。

 テレビ朝日の「羽鳥慎一モーニングショー」に出演し続けた白鷗大学の岡田晴恵教授は、欧米諸国のパンデミック報道を受け、「今のニューヨークは2週間後の東京です」「東京は2週間後にはミラノになります」「2週間後医療崩壊が起きます」「2週間後には地獄になります」と予言しましたが、これらの予言は全て外れました。

 WHOのテドロス事務局長の上級顧問を務める渋谷健司氏は、2020年のHUFFPOST日本語版の中で、「東京は感染爆発の初期に当たると見ています。(中略)東京は、このままいけば急激に感染者が増えるでしょう。本当なら先週4月1日が緊急事態宣言を出す最後のチャンスだったが、それを逃してしまった。できれば都市封鎖くらいのことをやらないと、東京に関してはもう手遅れかもしれません」と警鐘を鳴らしましたが、この後に東京で感染爆発は起きませんでした。

 

85万人が重篤なり42万人が死亡する

 こうした扇動者の中で、もっとも強烈な印象を残したのが、北海道大学教授(当時)の西浦博氏でしょう。

 彼は、感染者数の予測を数理モデルによって、人と人との接触を8割減らすことができれば感染爆発を抑制できるものの、何も対策をしなければ感染者数は爆発的に増加し、その結果国内では約85万人が重篤になり、うち約42万人が死亡する恐れがあると発表しました。

 国立大学の教授の試算は、信憑性を持って人びとに訴えかけられました。この試算によって、新型コロナ感染症がいかに恐ろしい病気であるか、というイメージが日本人に定着しました。

 しかし、西浦氏の試算は、その後の経緯より、現実とは全く乖離したものでした。この数理モデルはいったい何だったのかと驚かされますが、さらに驚くべきは、経済活動を停滞させるなどして日本に多大な損失をもたらした西浦氏は、この後に京都大学の教授に栄転していることです。

 国立国際医療研究センター(当時)の忽那 賢志氏もマスコミに頻繁に登場し、新型コロナ感染症の啓蒙とワクチンの必要性について訴え続けました。彼は日本政府の広報官の役割を果たし続け、大阪大学医学部教授に栄転しました。そして今でも、ワクチン接種やマスクの重要性を、とても科学者とは思えないようなノリで発信し続けています。

 以上のように、日本人に不安・恐怖感を与え続けた人たちは、その後に反省や謝罪を表明することはなく、それにもかかわらず新型コロナ感染症対策の「功労者」として、社会の表舞台で活躍し続けています。

 

断罪された教授たち

 彼らとは対照的なのが、上久保靖彦京都大学教授(当時)です。上久保氏は、日本人には集団免疫が達成されている、マスク信仰、自粛、三密回避はコロナ終息を遅らせる、ワクチンの早期使用は疑問などと主張しました。

 上久保氏の主張は、今となっては至極まっとうなものでした。欧米諸国のなかで唯一上久保氏の主張に近い緩和政策を取り、ロックダウンをしなかったスウェーデンは、日本とは対照的に現在は新型コロナ感染症がほとんど終息しています。

 しかし、上久保氏の主張はデタラメであると非難され、上久保氏は嘘つきであると誹謗中傷されたあげく、京都大学から姿を消しました(現在は千葉県がんセンター研究所・発がん制御研究部部長)。

 また、ワクチンの使用に懐疑的な動画をYouTubeに挙げ続けている犬房春彦岐阜大学教授(当時)は、やはり岐阜大学から姿を消しています(現在はルイ・パストゥール医学研究センター 抗酸化研究室 主席研究員)。

 このように、新型コロナ感染症は危険な病気ではないことや、ワクチン接種に疑義を唱えることは、大学ではタブーになっているのです。

 

ワクチンの危険性を訴えているのは名誉教授ばかり

 一方、遺伝子ワクチンの危険性や新型コロナ政策の誤りに対して、早くから警鐘を鳴らしていた医学者、科学者もいます。

 井上正康大阪市大名誉教授、岡田正彦新潟大学名誉教授、村上康文東京理科大学名誉教授、小島勢二名古屋大学名誉教授、福島雅則京都大学名誉教授、荒川央ミラノ分子腫瘍研究所員らが、その代表でしょうか。

 これら先生方に共通するのは、名誉教授または外国の研究所に所属していることであり、現在は日本の大学の研究室から離れていることです。

 日本の大学に所属していながらワクチンの危険性を訴えているのは、にゃんこ先生こと宮沢孝幸京都大学准教授くらいでしょうか。にゃんこ先生は「職を失う可能性がある」「命の危険を感じている」とまで発言していますから、反コロナ政策、反ワクチンを訴えることには相当に強いプレッシャーや、得体の知れない大きな力が働いているのかも知れません。

 

反ワクチンを語ると村八分になる

 このように、反ワクチンを語ることは非常なリスクを伴います。大学の状況をみるとよく分かりますが、ワクチンの問題を指摘することは、職を失うほどの圧力がかかります。実際にmRNAワクチンの危険性を訴えているのは、教授を退官した名誉教授だけです。もし、教授の立場で反ワクチンを訴えたなら、大学で研究を続けられなくなる覚悟をしなければなりません。

 これは何も、大学の研究室に限ったことでありません。医療の現場で反ワクチンを訴えることは、病院での立場を失うことに繋がりかねませんし、学校現場や職場で反ワクチンを訴えることは、変わり者のそしりを免れません。

 それだけではありません。ワクチンを接種しない人は村八分の扱いを受けますし、ワクチンの危険性を主張する人は、「陰謀論者」と非難されることすらあるのです。

 

ワクチンの危険を訴えるのは陰謀論者?

 どうしてワクチンの危険性を訴えると、陰謀論者という扱いを受けるのでしょうか。

 危険なワクチンを世界中の人びとに打たせるのには、何か隠された目的がある。その目的は、増えすぎた世界の人口を減らすためだ、などといった陰謀が隠されている。ワクチンの危険性を訴える人たちは、こうした陰謀が存在することを信じているのであり、だからこそ彼らは陰謀を信じているという意味での「陰謀論者」だというわけです。

 陰謀が本当に存在しているかどうかは分かりませんが(これが今のわたしの立場です)、ワクチンの危険性を科学的に訴えることと、陰謀の存在を信じていることはまったく別の事象ではないでしょうか。それを一緒くたにして反ワクチン=陰謀論者と決めつけることにこそ、なにがしかの陰謀が隠されていると感じるのはわたしだけでしょうか。(続く)