日本政府はなぜ危険なワクチンを買い続けているのか(7)

 前回のブログでは、河野太郎ワクチン接種推進担当大臣(当時)が、ワクチンの危険性を危惧する声をすべてデマであると断定し、「悪質なデマに対しては法的な手段に訴える」と恫喝する異常性について検討しました。

 問題は河野大臣だけではありません。河野氏は言動が過激なために目立ちますが、他の政治家も大差はありません。ワクチンの危険性を訴えているのは野党の、それもごく一部の政治家だけであり、与党議員からはワクチンの問題について言及する意見はついぞ聞くことができません。

 そのため、世界の国々の中で日本でだけでmRNAワクチンの追加接種が続けられ、日本でだけ感染爆発が起こり、過去最高の死亡者を出し続けています(ゼロコロナから一気にウィズコロナに政策転換し、感染のビッグバンを起こしている中国は除きます)。

 国民の命が失われ、国民の税金が無駄に投入され続けているのに、なぜ日本の政治家は、害しかないワクチン行政を改めることができないのでしょうか。

 

コロナ死が過去最高になっている

 mRNAワクチンの追加接種の回数で世界一を独走している日本で、新型コロナ感染症による死者数が、過去最高を記録しています。

 以下は、これまでの死者数の推移です。

 

                  図1

 

 図1のように、第7波の死者数を超え、第8波の死者数は過去最高を記録しています。世界一の追加接種を誇る日本で、なぜ新型コロナ感染による死者数が過去最高を記録しているのでしょうか。ワクチン接種推進論者にとっては、実に不都合な事実です。

 彼らは、この事実をどう釈明しているのでしょう。

 東京医科大学の濱田篤郎特任教授は、1月11日のNHK NEWS WEB で以下のように述べています。

 

「流行しているウイルスは第7波と変わらず、致死率などの病原性には今のところ大きな変化はないと見られるが単純に感染者数が増えている。感染者の報告数はまだ去年夏の第7波のピークには届いていないが、去年に比べて全数把握がしっかりとは行われなくなり、実際には第7波を超えるような感染が起きている状況が見えなくなっている。医療機関が何らかの形で関わる死亡者についてはある程度正確に把握できていて、死亡者数が過去最多の状況になっている」

 

 要するに濱田教授は、死者数が増えているのは単純に感染者数が増えているからであると述べています。去年に比べて全数把握が確り行われなくなり、本当は7波を超える感染数の増加が起こっているはずだと言うのです。

 この指摘は、ワクチン接種が重症化予防に効力を発揮していないという批判をかわそうという狙いがあるのでしょう。「ワクチンを5回も打ったから、コロナにかかっても軽症で済んだ」という主張が、現在のワクチンを接種する唯一の理由付けになっているからです。

 もしそうだとすると、ワクチン接種は感染予防には、まったく効果がなかったことになります。効果がないばかりか、せっかく4回も5回も接種したのに、以前より感染が拡大しやすくなっていることを奇しくも証明していることになるでしょう。

 

それでもワクチン接種を勧める異常さ

 それだけでなく濱田教授は、死者増加の原因を家族の対応に押しつけているかのようです。

 

「以前はコロナに感染して重症の肺炎を起こして亡くなるというケースが注目されたが、いまはコロナに感染することで血管障害が起き、心筋梗塞脳梗塞が原因で亡くなる人がいることもわかってきている。さらに、かなり高齢の方が感染した場合、本人や家族の希望で人工呼吸器などを使った治療を行わずにみとる形で亡くなる方も一部ではいるようだ」

 

 濱田教授が指摘する「以前はコロナに感染して重症の肺炎を起こして亡くなるというケースが注目されたが、いまはコロナに感染することで血管障害が起き、心筋梗塞脳梗塞が原因で亡くなる人がいること」は、以前から分かっていました。これが死者数の増加の要因になることはありません。

 また、「かなり高齢の方が感染した場合、本人や家族の希望で人工呼吸器などを使った治療を行わずにみとる形で亡くなる方も一部ではいるようだ」というのも、最近になって増えているとは思えません。すなわち、これらの理由が最近になって増えたわけではなく、これらが死者増加の理由になる根拠はありません。むしろ死者数の増加を、家族が積極的な治療を行わなくなったという根拠のない理由に押しつけているようにしかみえません。

 そして、濱田教授は、驚くべき結論を述べています。

 

「感染者数自体を減らさなければ死亡者数を減らすことはできない。高齢者施設での対策など、特に高齢の方が感染して亡くなるケースを防ぐ取り組みが必要だ。ワクチンの重症化予防効果はある程度長く続くことが知られているが、特に高齢者では時間の経過とともにどうしても効果が下がってきてしまう。オミクロン株対応ワクチンの接種率は全体で3割余り、高齢者でも6割ほどとまだ十分な水準ではないのでぜひ接種をしてもらいたい」

 

 つまり、死者数を減らすためには感染者数を減らすしかない。そのためには、ワクチン接種をさらに進めることが必要だというのです。

 ワクチン接種によって感染者数が減っていないばかりか、却って増加していることを暗に認めながら、感染者数を減らすためにさらなるワクチン接種を勧めるという、完全なる論理破綻がみられます。

 濱田教授が勧めるようにワクチン接種を推進すれば、日本には必ず第9波が訪れ、新型コロナ感染症によるさらなる死者数の増加が現れるでしょう。

 その責任をとっていただくために、みなさん、濱田教授の顔をよく覚えておきましょう。

 

 

死者数が増加している原因は

 日本で新型コロナ感染症による死者数が増加している原因は、次の二つが挙げられています。

 一つは、コロナの性質は変わっていないのに、ヒトの側の免疫力が落ちて、死亡する人が増えているという可能性です。特に、高齢者の行動制限は高齢者から体力を奪い、免疫力を低下させて死亡者を増加させていることに繋がっている可能性があります。行動制限が長引くことによって、高齢者の体力低下がますます進み、それが新型コロナ感染症死を増やしていることは否めないでしょう。

 もう一つは、濱田教授が指摘しているように、感染者数自体が増加していることです。もしそうであれば、なぜ感染者数が増えているのかを説明しなければなりません。ワクチン推進論者は、ワクチンの接種率が低いからだとか、行動制限が緩和されたからだとかいう、いかにももっともらしい理由を挙げるでしょう。

 しかし、この理由がもはや当てはまらなくなっていることは明らかです。なぜなら、ワクチンの追加接種をやめ、行動制限をなくした世界各国では、感染者数も死者数も激減しているからです。

 

追加接種をやめた国の新規感染者数は

 以下は、世界各国の延べブースター接種率(人口100人当たりのワクチン接種回数)です。

 

     『新型コロナウィルスワクチン接種率の推移【世界・国別】』より  

                  図2

 

 図2のように、相変わらず日本は、追加接種回数で世界一を独走しています。

 それはさておき、今回は延べブースター接種率が低い国々、南アフリカ(6.5%)、ロシア(13.6%)、インド(15.8%)、インドネシア(25.0%)、そしてアメリカ(39.3%)の新規感染者数の推移を、日本(135.4%)の新規感染者数と比較してみましょう。

 

      日本経済新聞社 『新型コロナウィルス感染 世界マップ』より

                  図3

 

 図3を概観すると、日本以外の国では、感染がほぼ終息していることが分かります。さらに詳しく分析すると、驚くべき事実が明らかになります。それを検証してみましょう。

 オミクロン株発祥の地である南アフリカ以外の国々で、最後の感染拡大のピークがいつだったのかを調べると以下のようになります。

 

   ロシア     2022年 2月11日 (図3の右から2番目の山)

   インド     2022年 1月20日 (図3のもっとも右側の山)

   インドネシア  2022年 2月16日 (図3のもっとも右側の山)

   アメリカ    2022年 1月18日 (図3のもっとも右側の山)

 

 さて、オミクロン株発祥の地である南アフリカでは、BA.2株のピークが2021年12月15日(図3の右から2番目のもっとも高い山)、BA.5株のピークが2022年5月11日(図3のもっとも右側の低い山)でした。

 つまり、ロシア、インド、インドネシアアメリカでは、最後の感染拡大を起こしたのは南アフリカでオミクロンBA.5株が発生する以前であり、最後の感染拡大はオミクロンBA.2株でした。ワクチンの追加接種率が低かった国々では、オミクロンBA.5株の感染拡大は起こっていないのです(ロシアではその後、BA.5株の小さな山ができています)。

 それに比べて日本では、2022年に入ってから、オミクロンBA.2株とBA.5株の感染拡大が起こった後、この年末年始にさらにもう一度BA.5株の感染拡大が起こっています。

 すなわち、延べ追加接種率の低い国々では、新型コロナウィルスオミクロン株はBA.2株の感染拡大を最後に感染がほぼ終息してのに対して、延べブースター接種率が世界一の日本では、BA.2株の感染拡大に続いて、BA.5株の感染拡大が2度も繰り返されているのです。

 日本が推し進めているmRNAワクチンの追加接種とは、いったい何だったのでしょうか。

 

追加接種をやめた国の新規死者数は

 では次に、延べブースター接種率が低い南アフリカ(6.5%)、ロシア(13.6%)、インド(15.8%)、インドネシア(25.0%)、そしてアメリカ(39.3%)の新規死者数の推移を、日本(135.4%)の新規死者数と比較してみましょう。

 

      日本経済新聞社 『新型コロナウィルス感染 世界マップ』より

                  図4

 

 図4をみれば明らかなように、延べブースター接種率が低い国々では、感染の終息に伴って新規死者数も減少しています。それに比べて、延べブースター接種率が世界一の日本だけが、新規死者数は感染が拡大するたびに増加しています。(アメリカの1月18日の新規死者数が1,574人になっていますが、発表日によって数に大きなばらつきがあります。1月に入ってからの新規死者数は1日当たり平均で522人であり、これは日本の人口に換算すると193人に相当します)。

 これでは、何のためにワクチンの追加接種を行っているのかわかりません。それなのに冒頭で取り上げた濱田教授は、死者を減らすためにさらなるワクチンの追加接種を行うように勧めているのです。

 「本当に気は確かですか」と問いかけたくなります。

 

 では、ワクチンの追加接種を行うことによって、なぜ感染者数は増え、死者数は増加するのでしょうか。

 次回のブログで検討してみたいと思います。(続く)