わたしたちはなぜ、危険なワクチンを打ち続けているのか(1)

 

 前回のブログでも指摘したように、3回目と4回目のブースター接種回数を合計した延べブースター接種率で、日本はついに世界一を達成してしまいました。その結果もたらされたのは、オミクロンBA.5株の感染爆発であり、超過死亡者数の異常な増加です。この結果を冷静に見れば、ワクチン接種を今すぐ中止しなければならないことは、誰の目にも明らかなはずです。

 それにも拘わらず、政府や厚労省は未だにワクチン接種を推奨し、マスコミや御用学者たちは詭弁を弄してワクチン接種の必要性を訴えています。そして、一般の人たちは、そのことに何の疑問も抱かずにせっせとワクチンを打ち続けています。

 日本は本当は全体主義の国で、政府の命令には無条件に従わなければならいのでしょうか。それとも、日本人は自分で考え、自分で判断することのできない未熟な国民なのでしょうか。わたしは、そうではないと思います。

 では、なぜ日本人は、危険なワクチンを打ち続けるような愚かな行為を続けるのでしょうか。今回以降のブログで検討したいと思います。

 

岸田首相の復帰会見

 8月31日に、コロナの療養期間を終えた岸田首相が記者会見を開き、安倍元首相の国葬や新型コロナ対策、”統一教会問題”などについて説明しました。

 会見の冒頭部分で岸田首相は、「今回コロナに感染して強く感じたことは、ワクチンの有用性です。ワクチンの4回接種を済ませていたことで、軽い症状で済みました」と述べました。この発言を聞いて、ひっくり返りそうになったのはわたしだけでしょうか。今回のオミクロンBA.5株は、もともと重症化しない「のど風邪」です。4回もワクチンを接種しなくても、罹った人のほとんどは軽い症状で済んでいます。

 続けて岸田首相は、「自らの実体験も踏まえ、皆さまには引き続きワクチン接種にご協力をお願いすると共に、10月から開始予定のオミクロン株対応の新たなワクチンの接種について、その開始を前倒しすることといたします」と語りました。

 自らの経験をどう活かすかは、その人の重要な能力の一つです。自らがコロナに感染したことを踏まえて、「現在のコロナは大したことはない。大げさな対策は中止して、一刻も早く社会を通常の状態に戻そう」と考えるか、「さらにワクチン接種を押し進めよう」と考えるかでは、180度違った未来が訪れます。

 岸田首相に日本の舵取りを任せている限り、永遠にコロナ渦から逃れられる日は来ないのではないでしょうか。

 

オミクロン対応株のワクチン接種を開始

 日本は3回目と4回目のワクチンの合計の延べ接種率で世界一を達成しましたが、政府はさらにワクチンを接種しようとしています。

 9月2日に厚労省は、オミクロン株対応の新ワクチンについて、4回目接種の対象となっている高齢者など重症化リスクの高い人や医療従事者らから、9月半ばにも接種を始めると発表しました。4回目接種に使うワクチンを、従来品から新製品に切り替えるということです。

 厚労省は、オミクロン株対応ワクチンの接種を始めることで、オミクロン株の感染拡大に歯止めをかけたいのだと思われます。しかし、この目論見は、残念ながら外れるでしょう。なぜなら、オミクロン株対応ワクチンは、武漢株とオミクロンBA.1株のウィルスに対応して作られているからです。現在流行中のオミクロンBA.5株ウィルスは、武漢株の抗体はもちろん、オミクロンBA.1株の抗体もBA.2株の抗体もすり抜けて感染しています。新しいワクチンが武漢株とBA.1株に対応するように作れられていたとしても、オミクロンBA.5株には無効なのは、従来のワクチンと変わりがないでしょう。

 そればかりか、充分な治験が行われていない新しいワクチンを、いきなり実験的に接種することの危険性を、省みなくても本当にいいのでしょうか。

 

ワクチン先進国の現状は

 これまでにワクチン接種で世界をリードしてきた、ワクチン接種先進国の現状はどうなっているのでしょうか。

 以下は、ワクチン接種が世界で最も進んでいたイスラエル、遺伝子ワクチンを作った製薬会社のあるアメリカとイギリスと、そして、逆にワクチン接種の遅れている南アフリカ、インド、インドネシアにおける、延べブースター接種率(3回目、4回目の合計)の推移を現したグラフです。

 

                   図1

 

 ワクチン先進国のイスラエルは、2021年までは延べブースター接種率において、世界をリードしてきました。しかし、2022年に入ると接種が頭打ちになり、延べ接種率は60%を少し超えた程度で推移しています。

 ウィルスベクターワクチンを開発したアストラゼネカ社があるイギリスでは、やはり2022年に入るとブースター接種が頭打ちになり、延べ接種率は現在に至っても60%に達していません。

 ファイザー社とモデルナ社のあるアメリカでは、なぜかブースター接種は進んでおらず、未だに延べ接種率が40%に達していません。

 これに対して、日本では順調にブースター接種が進んでおり、9月3日時点での延べブースタ接種率は86.5%で世界を完全にリードしています。

 

ワクチン接種によって感染者が減っていない

 ワクチン接種先進国であったイスラエルでは、なぜ2022年に入ってからワクチン接種が進んでいないのでしょうか。そして、遺伝子ワクチンを開発したイギリスやアメリカでも、2022年に入ってからワクチン接種が頭打ちになっているのでしょうか。

 ワクチン接種先進国が、ブースター接種の推進を止めてしまった理由の一つとして、ワクチンを接種しても感染者数が抑えられていないことが挙げられます。

 以下は、ワクチン接種先進国のイスラエル、イギリス、アメリカと、ワクチン接種の遅れている南アフリカ、インド、インドネシアにおける、人口当たりの累積感染者数の推移です。

 

                    図2

 

 図2のように、人口当たりの累積感染者数をみると、ブースター接種の遅れている南アフリカ、インド、インドネシアより、ワクチン接種先進国であるイスラエル、イギリス、アメリカの方が感染者が多いことが分かります。そして、人口当たりの感染者数の少なかった日本は、ブースター接種が進むにつれ、残念ながらワクチン接種先進国に近づいていることがわかります。

 もう一つの特徴は、イスラエル、イギリス、アメリカが、2022年に入ってブースター接種を止めてからも、累積感染者数がわずかしか増えていないことです。

 これらの結果をみると、ブースター接種に感染予防効果は認められません。そればかりか、日本の例をみると、却って新規感染者を増加させている可能性すら考えられるのです。

 

ワクチン接種によって死亡者が減っていない

 ワクチン接種先進国が、ブースター接種の推進を止めてしまったもう一つの理由として、ワクチン接種が死亡者数を減らしていないことが挙げられます。

 以下は、ワクチン接種先進国のイスラエル、イギリス、アメリカと、ワクチン接種の遅れている南アフリカ、インド、インドネシアにおける、人口当たりの累積死者数の推移です。

 

                  図3

 

 図3のように、イスラエル、イギリス、アメリカの人口当たりの累積死者数は、インドやインドネシア、日本よりも多くなっています。そして、ブースター接種を推進しなくなった2022年以降でも、累積死者数の増加は小幅に留まっています。

 ここで、9月3日時点での、各国別の人口100万に当たりの累積死者数を見てみましょう。

 

   イスラエル  1,322人

   イギリス   3,010人

   アメリカ   3,146人

   南アフリカ  1,701人

   インド       379人

     インドネシア  570人

   日本        324人

 

 このように、ワクチン接種先進国であるイスラエル、イギリス、アメリカでは、人口当たりの累積死者数が、インドやインドネシア、そして日本よりも随分と多いことが分かります。南アフリカで感染者数に比して死者数が多いのは、医療事情があるのかも知れません。

 また、日本の死者数が少ないのはワクチン接種の効果だという意見が出そうですが、図3のように、ブースター接種が本格化する2022年以前には死者数はもっと少なかったことから、少なくともブースター接種による死者数の抑制効果は得られていないと考えられます。

 

 以上のように、ワクチン接種を行った結果を客観的にみれば、mRNAワクチンには感染予防効果も、死者数を減らす効果もなかったことが分かります。そのためイスラエル、イギリス、アメリカ政府は2022年に入ってからワクチン接種に消極的になっているのであり、各国の国民もワクチンに頼ることのない日常生活を送っているのです。

 

 では、なぜわたしたち日本人だけが、効果のないワクチンを打ち続けているのでしょうか。(続く)