日本政府はなぜ危険なワクチンを買い続けているのか(6)

 前回と前々回のブログでは、河野太郎ワクチン接種推進担当大臣(当時)が発信した自身のブログ『ごまめの歯ぎしり』の中の、「ワクチンデマについて」(2021年6月24日)の内容について検討しました。河野大臣がデマであると断定したmRNAワクチンの危険性のほとんどが、決してデマなどではなく、むしろ正しかったことが次々と明らかになってきています。

 なぜ河野大臣は間違った発信を行い、自らがデマを流してしまったのでしょうか。

 今回のブログでは、河野太郎氏の政治家としての資質を問いたいと思います。

 

河野大臣にはブレインがいた

 河野大臣は、ワクチンは安全であると主張し、危険性を訴える意見をことごとくデマであると断じてきました。医学的知識がない河野氏に、なぜそのような断定ができたのでしょうか。

 彼にはブレインがいました。河野大臣は「ワクチンデマについて」のブログの最後に、「この項は『こびナビ』( covnavi.jp , @covnavi)の監修をいただいています」と記しています。つまり、「こびナビ」から助言を得て、mRNAの安全性を医学的に説明していたのだと思われます。

 では、「こびナビ」とはいかなる存在でしょうか。

 「こびナビ」のホームページをみると、次のように記してあります。

 

「『こびナビ』は新型コロナウイルス感染症新型コロナウイルスワクチンに関する正確な情報を皆さんにお届けするプロジェクトです。

新型コロナウイルス(CoV=こび)とワクチンに関する情報が沢山ある中で、あなたが正確な情報へたどり着けるようにナビゲート(ナビ)したい、そんな想いを込めて活動しています」

 

 どうやら、「新型コロナウイルス感染症に対するワクチンの正確な知識をお伝えすることを目的として集まったプロジェクト・チーム」のようです。

 その構成メンバーを見ると、感染症専門医や耳鼻科医、精神科医などの中堅の医師が中心となっており、ワクチンの研究や、遺伝子治療の専門家などはいないようです。

 特徴としては、アメリカに留学している医師が多く(運営メンバーの10人中5名)、ワクチン接種を積極的に推し進めようとしたCDC(アメリカ疾病予防管理センター)の代弁者になっていないかが心配されます。また、元厚生労働省医系技官も含まれており、いかにもワクチン接種を勧めようとする人たちの集まりであることが分かります。

 

ものごとの本質を見抜く力

 問題は、なぜ河野大臣がワクチンの専門家でもない彼らの説明を全面的に信じ、それをそのままブログに載せているかです。

 日本には、ワクチンの専門家、感染症の専門家、免疫学の専門家、公衆衛生の専門家など、今回のワクチン行政に適切な助言をしてくれるであろう優秀な医師や研究者がたくさんいます。そうした医師や研究者の中から、なぜそれほど臨床経験や研究実績があるとは思えない「こびナビ」の医師たちをブレインに選んだのか。そして、その助言を全面的に信頼し、ワクチンの危険性を危惧する警鐘をデマだと断定したのか。河野大臣の判断は、本当に正しかったのでしょうか。

 河野大臣がブログを発信した2021年6月には、まだ科学的に分かっていなかった事実も多かったのではないかという意見もあるでしょう。現在になって分かった事実をもって、当時の意見を否定することはフェアではないと思われるかも知れません。

 しかし、ことは国民の命に直結する重大な政治的判断です。政治家の判断一つで、国民の命が救われる場合もあれば、多くの命が失われてしまう可能性もあるのです。たとえ医学の専門的な知識はなくても、どの医師の、またはどの研究者の言っていることが正しいのかを見抜く能力が、政治家には求められるでしょう。

 

ワクチン接種は逆効果

 最近になって、ワクチンには効果がないばかりか、感染予防や重症化予防に対して逆効果であることが明らかになってきました。

 以下は、ワクチンの追加接種を、人口100人当たりで何回打ったかを示した「延べブースター接種率」の推移です。

 

      『新型コロナウィルスワクチン接種率の推移【世界・国別】』より  

                  図1

 

 図1のように、世界各国がワクチン接種をやめている中で、日本だけが追加接種を続けています。1月12日時点で、日本の延べブースター接種率は133.8%で、2位の韓国の79.7%を遙かに引き離し、世界一を独走しています。

 その結果、どのような効果が現れているのでしょうか。

 最近1ヶ月間の、世界各国の新規感染者数は以下のようになっています。

 

       『新型コロナウィルスワクチン接種率の推移【世界・国別】』より

                  図2

 

 世界一のワクチン接種を行っている日本が、なぜか世界一の新規感染者数をたたき出しています。

 いやいや、ワクチン接種の目的は、重症化予防効果であると主張する意見もあるかも知れません。

 では、最近1ヶ月間の、新型コロナ感染症による新規死者数をみてみましょう。

 

     『新型コロナウィルスワクチン接種率の推移【世界・国別】』より

                  図3

 

 図3から分かるように、最近1ヶ月間の新規死者数でも日本は世界一です。ワクチン接種は新型コロナ感染症に効果がないばかりが、害の方が大きいことが誰の目にも明らかになってきました。

 ここには、ワクチン接種の副作用による健康被害や死亡は含まれていません。今後明らかになるであろう副作用被害を合わせると、ワクチン接種の害は計り知れない範囲に及ぶと思われます。

 

国民を訴えようとする河野大臣

 こうした事実が明らかになりつつある今、河野太郎ワクチン接種推進担当大臣(当時)は、自らのワクチン行政をどう捉えているのでしょうか。

 河野氏は、自身の最近のブログ(『ごまめの歯ぎしり』2022年12月31日の投稿「ネット上のデマについて」)の中で、以下のように述べています。

 

「インターネットは、誰でも自由に発信ができる場だからこそ、ここまで発展をすることができたのだと思います。

しかし、残念なことにそれを悪用し、デマ、フェイクニュースを意図的に発信する輩がいるのも現実です。

それをいちいち気にすることはないのかもしれませんが、最近、私に関して、あまりに悪質なデマをしつこく流されるようになってきました。

これからも悪質なものについては法的手段に訴えることを検討していきますが、そうしたデマのいくつかについてここで説明します(後略)」

 

 ワクチンの効果に疑問符がつき、その副作用が次々と明らかになりつつ今、河野大臣への風当たりが強くなっているのでしょう。こんなときに政治家がとる態度は、概ね次の二つでしょう。一つは批判に対して丁寧に説明を続け、政策を継続すること。もう一つは間違いを認めて国民に謝罪し、政策を改めることです。

 河野大臣はこのどちらでもない、新しい対応を考案しました。「悪質なデマに対しては法的手段に訴える」というのです。日本国の大臣が一国民を訴えるとは、実に奇想天外な発想だと思いませんか。国民に政策を訴えかける政治家はいますが、国民を訴えようとする政治家は初めて見ました。

 

責任逃れを始めた河野大臣

 河野氏は押しの強い発言と強気な態度で知られる政治家ですが、案外気が小さいのかも知れません。自らが行ったワクチン政策が間違いだと分かった際に備えて、既に予防策を採り始めています。

 河野大臣は、自身のブログ(「ネット上のデマについて」)で次のように続けます。

 

「予防接種の副反応による健康被害は、極めて稀ですが、不可避的に生ずるものです。

そのため、予防接種による健康被害を受けた者に対して特別な配慮をするために、法律で制度がきちんと設けられています。

誰かが責任をとる、とらないという問題ではありませんし、『運び屋』の私が『後遺症について』責任をとるなどという発言をしたことはありません」

 

 河野大臣は、自分は「ワクチンの運び屋」に過ぎなかったと主張しています。だから、自分には責任はないという理屈です。

 ワクチン接種推進担当大臣の役割とは、一体なんでしょう。ワクチンを運ぶのは、運送業者でしょうし、その手続きをするのは厚労省の役人でしょう。大臣の役割は、そんなことにはありません。ワクチン接種を推進する責任を負うと共に、推進した結果の責任を負うのが大臣の役割であるはずです。

 河野氏は、自分が単なる「ワクチンの運び屋」に過ぎなかったとして逃げを打とうとしているのでしょうか。それとも、「悪いものを輸入してしまった」という無意識の思いが、つい「運び屋」という表現として現れてしまったのでしょうか。

 

河野氏が間違いを認める日は来ない

 そうは言いつつも、河野大臣は、ワクチンへの幻想を未だに捨ててはいません。『ごまめの歯ぎしり』の最新投稿、2023年1月6日の記事「コロナワクチンに関するデマについて」で、次のように述べています。

 

新型コロナウイルス感染症の最も効果的な対策はワクチンです。

世界の多くの国々では、ワクチン接種はリスクを大きく上回る利益を提供するとして、強く推奨されています」

 

 河野氏は、未だに「新型コロナウイルス感染症の最も効果的な対策はワクチンです」と訴え続けています。しかも、世界各国でワクチン接種が行われなくなっている中でも、「世界の多くの国々では、ワクチン接種はリスクを大きく上回る利益を提供するとして、強く推奨されています」と強調しています。

 河野氏のワクチン接種への信念は、客観的事実を超えて宗教的信念の域まで達しているかのようです。今後河野氏が、自らのワクチン行政の誤りを認める日は永久に訪れないでしょう。

 

 河野氏は総理候補の一人として挙げられているようですが、ワクチン行政に対する河野氏の姿勢を見る限り、総理としての資質に著しく欠けていると判断せざるを得ません。(続く)