なぜブースター接種は、今すぐ打ち止めにすべきなのか(7)

 これまでのブログで、mRNAワクチンが、長期的には新型コロナ感染症を却って増加させていること、高齢者のコロナ死を減らす一方で他疾患の死亡者を増加させるため、結果的には超過死亡数を増加させていることを検討してきました。つまり、今やmRNAワクチンは、感染予防効果も、致死率を下げる効果もないことが明らかになりつつあります。

 それにも拘わらず、ブースター接種は推し進められ、接種率はついに50%を超えてしまいました。そして政府は、60歳以上に限ってですが、ワクチンの4回目接種を行おうとしています。

 今回のブログでは、ブースター接種の重大な問題点と、4回目のワクチン接種に潜む欺瞞について検討してみたいと思います。

 

3日目接種ですでに135人が死亡

 4月27日に開催された、厚生科学審議会 (予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会) で、ワクチン接種後に死亡した事例数が報告されました。

 

                 図1

 

 図1のように、接種が開始された令和3年2月17日から令和4年4月1日までに、ワクチンの接種後に1,667人の死亡事例が報告されてきました。そのうち、3日目接種後に亡くなった人は、すでに135人に上っています。

 この数字をどのように捉えるべきでしょうか。

 

接種後死亡はあってはならない

 多くの人を病気から救うために、ある程度の犠牲はやむを得ないという考え方もあるのかも知れません。しかし、この考え方は、以下の二つの点で根本的に間違っています。

 一つ目は、ワクチンは疾病予防のために、健康な状態の人に打つ薬であるからです。ワクチン接種後に死亡者が出るということは、それまで健康だった人が、ワクチン接種が原因で死亡することを意味します。これでは何のために、ワクチンを接種したのか分かりません、ワクチンによって殺されたといっても過言ではないでしょう。

 つまり、そもそもワクチンの接種後に、死亡者が出ること自体があってはならないのです。

 

因果関係が評価できないから接種を続ける

 では、厚生科学審議会は、なぜmRNAワクチンの接種を中止しないのでしょうか。それは、ワクチン接種と死亡の因果関係が評価できないという理由からです。

 審議会では、専門家の評価として、 令和3年2月17日から令和4年3月20日までに報告された1,634人のうち、

 

 ワクチンと死亡との因果関係が否定できないもの            0件

 ワクチンと死亡との因果関係が認められないもの           10件

 情報不足等によりワクチンと死亡との因果関係が評価できないもの  1,624件

 

 と結論しています。

 つまり、ほとんどの事例が情報不足等によりワクチンと死亡との因果関係が評価できないため、ワクチンは継続使用できると判断しているのです。

 

本来は因果関係がないと証明することが必要

 この判断は、実は根本的に間違っています。それは、mRNAワクチンがまだ治験段階の薬であるからです。

 治験とは「治療の臨床試験」の略であり、候補の薬を健康な成人や患者に使用して、効果や安全性、治療法などを確認する目的で行われる臨床試験のことです。つまり、mRNAワクチンは臨床試験が終了して安全性が確認された薬ではなく、まだ安全性を確認している途上の薬なのです。

 では、なぜ治験段階の薬が、世界中で使用されているのでしょうか。それは、新型コロナ感染症の急拡大に伴って、各国政府が特例承認を行っているからです。このようにmRNAワクチンは、治験が終了して安全性が確認された薬ではなく、現在も世界中で「安全性を確認するための臨床試験」を行っている薬だということを忘れてはなりません。

 そうであれば、「ワクチンと死亡の因果関係が評価できない(しかも、情報不足により)」ことは、ワクチンを継続使用してもよい理由にはなりません。まだ安全性を確認中の薬なのですから、むしろ「死亡の原因はワクチン以外にあった」ことを証明することが必要になります。

 したがって、ワクチンを継続使用するためには、「ワクチンが死亡原因にはなっておらず、安全である」ことこそが証明されなければならないのです。「死亡との因果関係が評価できない」ワクチンであれば、この時点でいったん治験を中断し、安全性が確認されるまでは使用を禁止する手続きを採ることが、これまでの治験で行われてきた通常の対応であるはずです。

 以上のような基本的な姿勢がないがしろにされている厚生科学審議会は、正常な判断力を失っていると言えます。

 今の日本ではまさに、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」というジョークが、現実に行われているのです。

 

医療従事者の4回目接種は中止された

 ただ、これまでワクチン接種一辺倒だった厚労省の姿勢に、変化の兆しが現れています。厚労省は4月27日に、5月下旬から開始しようとしていた4回目の接種について、60歳未満で健康な人と医療従事者を外すと発表しました。

 この方針転換に対して、愛知県の大村秀章知事は5月2日の記者会見で、「おかしい。違うと思う」と疑問を呈しました。そして、医療従事者や高齢者施設の職員らも4回目接種の対象に加えるべきだとの考えを示しました。

 大村知事の疑義はもっともです。安全で有効とされてきたワクチンを、治療の最前線にいる医療従事者や高齢者施設の職員らに接種しないのはおかしなことです。これまでの方針を踏襲するなら、重症化の危険性が高い高齢者に伝染さないためにも、まず医療や福祉の関係者からワクチン接種を行わなければならないでしょう。

 厚労省は、この方針転換に関しては以下のように説明しています。

 

厚生科学審議会 (予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会)

 「4回目接種の目的が重症化予防であるならば、対象者の範囲の設定は理にかなう」。27日に開かれた分科会では、厚労省が示した4回目接種の目的や、60歳以上や持病がある人に対象を限定する案への異論は出ず、理解を示す意見が委員の大勢を占めた。(4月27日 毎日新聞

 

 これは審議会が、ワクチン接種の目的を重症化予防に転換したことを示しています。その背景では、ワクチンにはすでに感染予防効果がないと暗に認めたことを意味していると思われます。

 

ワクチン推進派の変節

 厚労省の方針転嫁に呼応するかのように、ワクチン推進派の人たちの言動にも変化がみられます。

 

松本哲哉教授(国際医療福祉大学

 「何回も打たなければいけないとなると、不安や不満も多くなってくる。高齢者がなぜ打たなければいけないのか、科学的な根拠も含めて分かりやすく説明し、打ったほうがいいと理解してもらえるような説明が必要だ。4回目を打てば終わりなのか、今後も接種が必要ならどれくらいの間隔で打っていくのか、明確なデータがないにしても、国は今後の感染の予測も踏まえて国民に説明していくべきだ」(4月25日 NHKインタビュー)

 

 松本氏は、昨年の11月29日のNHKのインタビューでは、「子どもはもともと重症化しにくいですが、感染することによる後遺症のリスクを減らすことができます。感染が拡大しても安心して授業に普段通り参加できるということもメリットになるでしょう。 また、家庭内感染を防ぐということも期待できると思います。普段どおり生活できるようになるという意味で、子どもたちにとっても重要なワクチンであると思います」と語り、子どもへの接種を勧めていました。

 しかし、高齢者への4回目の接種に対しては、まるで接種反対派かのような慎重な物言いが目立ちます。

 

忽那賢志教授(大阪大学医学部)

 (4回目のワクチンの感染予防効果は11〜30%という研究結果を踏まえて)

 「今回の4回目の接種の効果に関する報告は、有効性を示したというよりは既存のワクチンの限界を示したとも言えます。(中略)

 既存のワクチンは重症化予防効果は保たれているものの、短期間で出現してくる変異株に対して十分な感染予防効果を持続的に保つことができなくなってきています(今後、オミクロン株よりもワクチンが効きやすい変異株がオミクロン株から置き換わるということも、これまでの変遷を考えればあまり期待できないでしょう)。

 また、4ヶ月ごとに追加接種を延々と行うことは、一部の免疫不全者・基礎疾患のある方や高齢者以外の人々にとっては現実的に難しいと考えられます」(3月20日 忽那氏のブログより)

 

 忽那氏は、「これまでにmRNAワクチンなどの新型コロナワクチンが果たした功績はあまりに大きく素晴らしいものです」とも述べ、自らが変節したわけではないことを強調しています。しかし、「既存のワクチンの追加接種は重症化リスクの高い人に限定し、今後は、より長期間効果が持続するワクチンや、様々な変異株に対して幅広い効果を持つワクチンの開発に注力すべき、という意見が増えてくるでしょう」とも述べ、今後は新たなワクチン開発を推奨する方針に方向転換しています。

 

ワクチンが危険なことを隠しきれなくなった

 ワクチン接種派は、なぜ方向転換を行っているのでしょうか。

 その理由として、ワクチンの有効性があくまで一時的であり、長期的には却って新型コロナウィルスに感染しやすくなること、また、超過死亡数の増加やワクチン接種後の死亡者数の増加、そして今後増加するであろう後遺症の存在など、ワクチンの危険性が指摘されるようになったことが背景にあると思われます。

 それでもワクチン推進の人たちは、まだワクチンの有用性を主張し続けています。しかし、ワクチンの無効性や危険性を示すデータが増えていることは無視できなくなってきているのでしょう。そのため、ワクチンの危険性が白日の下に晒されたときに備えて、自らの身を守るために今から保険をかけているのではないかとわたしは思います。

 「mRNAワクチンは3回打てば充分である。それ以降は新たな方針に転嫁すべきことをわたしは以前から推奨していた」という訳です。

 

高齢者には危険なワクチンを接種してもいいのか

 ワクチンの無効性や危険性が明らかになるにつれ、ワクチン接種をためらう人が増えてきました。この中には医療従事者も含まれます。副反応を身近に診る機会がある医療従事者にとっては、4回目の接種は身に詰まされる問題です。今回の厚労省の方向転換には、彼らからの声も影響しているのではないかとわたしは思います。

 では、なぜ高齢者には、4回目の接種を行うのでしょうか。

 前回のブログで検討したように、疾患別の超過死亡数から検討すると、ワクチン接種後に呼吸器疾患で亡くなる人が急増しています。肺炎が高齢者の死因に占める割合が多いこと(80歳以上では第3位)を考慮すれば、ワクチン接種後に肺炎で亡くなる人が急増しても、よほど詳しい病理解剖を行わない限り、ワクチン接種が原因かどうかは証明できません。

 これは肺炎だけに認められることではありません。ワクチンの影響で生じる心疾患、脳血管性疾患、悪性新生物(がん)などは、いずれも高齢者の死因の上位を占めています。つまり、高齢者においては、ワクチン接種によって重篤な疾患を起こして死亡しても、その原因は覆い隠されてしまうのです。

 

厚労省の責任回避

 厚労省が、ワクチンの危険性を認識してるかどうかは分かりません。しかし、医療従事者は除いて高齢者だけに4回目の接種を行うという方針転換には、ワクチンの危険性が明らかにならないように配慮した思惑が見え隠れします。

 

 4回目の接種を行えば、新型コロナ感染症の重症化は(一時的ではあるが)防ぐことができる。ただし、他疾患を誘発して超過死亡数を増加させるかも知れない。さらに若者を多く含む医療従事者に4回目の接種を行えば、重篤な副反応が生じることが明らかになってしまう。しかし、高齢者に限って接種を行えば、重篤な副反応による死亡者の増加は覆い隠せるだろう。

 

 このような計算のもとで、今回の方針転換が行われたのではないことを切に願いたいと思います。(続く)