日本を貶めようとする人々 まとめ(1)

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 前回のブログに対して、「うめ」さんから、

 橋下氏が杉田水脈議員の発言(切り取りですが)について批判があったとき、あまりの罵りかたにドン引きしたことがあります。杉田氏の愛国的な活動について何か、心の闇の部分に触れるものがあったのでしょうか。
子ども時代にどのような成育環境にあると反日的になるのか、教えていただきたいです。

 というコメントをいただきました。

 子ども時代にどのような成育環境にあると反日的になるのかは、個々の事例を検討しないと具体的なことは言えません。しかし、反日と成育歴とは、一定の関係があるとわたしは考えています。その点を検討して、このテーマのまとめにしたいと思います。

 

従軍慰安婦南京大虐殺も日本発

 韓国が日本を非難するための格好の材料として利用している、いわゆる従軍慰安婦問題は、戦後しばらくはいっさい語られていませんでした。ことの発端は、1982年の9月2日の朝日新聞に、従軍慰安婦問題の発端となった「済州島で韓国人女性を強制連行した」という吉田清治氏の告発を取り上げた記事にあります。これに対して済州島の住人は、吉田氏が出版した本に対して、「この本は日本人の悪徳ぶりを示す軽薄な商魂の産物と思われる」と憤慨し、強制連行を否定していました。従軍慰安婦問題はこのように、吉田氏と朝日新聞がタッグを組み、ねつ造して生まれた事件でした。

 また、1971年の8月から12月まで朝日新聞に掲載された、本多勝一氏の「中国の旅」も、中国側が用意した"証人"の声を聞いただけで確認のための取材もしないまま、毎回残虐で非人道的な日本軍の行為が語られていくというものでした。東京裁判後にさして問題にされていなかった南京事件は、本多氏と朝日新聞プロパガンダの後に大問題として蒸し返されました。中国共産党はこれを日本軍の非道を示すものとして世界に喧伝し、1985年には南京大虐殺記念館が建てられました。

 つまり、今も反日の象徴である従軍慰安婦南京大虐殺は、もとを辿れば日本人が告発し、日本の報道機関や活動家たちが焚き付けて、国際的に知られる事件になったのです。韓国や中国は、それを巧妙に利用したにすぎません。

 なぜ日本には、わざわざ日本を非難し、日本を貶めようとする日本人が存在するのでしょうか。

 

WGIPが発端? 

 戦前の日本を悪と規定するような日本人が誕生した要因として、GHQ連合国軍最高司令官総司令部)によって行われたWGIP(ウォーギルト・インフォメーション・プログラム)が挙げられています。

 WGIPは、ウオーギルト(War Guilt)、つまり戦争の罪悪感を日本人に植え込み、日本人がアメリカに敵意を向けないようにするための教育プログラムです。それによれば、日本を無謀な戦争に引きずり込んだのも、悲惨な戦争を継続したのも、現在および将来の日本に苦難と窮乏をもたらしたのも、すべて戦前の軍国主義者たちであって、国民はその犠牲者に過ぎないというものでした。

 戦前の日本を敵視し、戦争や軍隊という言葉に極度のアレルギーを示し、軍備の話題が出るとすぐに軍国主義への後戻りだと叫び、防衛論議さえ戦争に繋がると反対する人たちは、WGIPの影響を受けているのかも知れません。そして、戦前の日本軍を貶めるために創作された従軍慰安婦問題や南京大虐殺も、WGIPによる教育の効果だと考えることもできるでしょう。

 しかし、反日を叫ぶ人たちの行動の原点を、WGIPだけに求めることはできないとわたしは思います。なぜなら、戦後のわずかな期間にGHQが行った教育が、そのまま現在の日本人まで受け継がれたと捉えるには無理があるからです。そこには、WGIPの思想を利用して、戦前の日本が悪であったとする教育を、自らの意志で広めようとした日本人の存在が不可欠だったはずです。

 

日本人を信用しない人たち

  従軍慰安婦南京大虐殺を問題視する人たち、戦前の軍国主義を批判し、東京裁判を受け入れてA級戦犯を犯罪者と捉える人たち、戦争や軍隊を悪と捉え、平和憲法を経典のように信奉する人たちに共通する特徴があります。それは、戦前の日本人をまったく信用しようとしない一方で、アメリカや中国、そして韓国の人々には全幅の信頼を寄せていることです。

 GHQが作ったWGIP日本国憲法を正しいと信じ、中国人の証言をそのまま新聞記事に乗せ、従軍慰安婦の証言を資料の裏付けが見つからないまま事実と認定するためには、日本人は信じられないが、アメリカ人や中国人、韓国人は信じられると思っていなければできないことです。

 

なぜ日本人を信じられないか

 では、なぜ日本を非難し貶める人たちは、日本人は信じられずに、他国の人々は容易に信じられるのでしょうか。

 そこにこそ、成育歴の問題があります。

 アメリカの発達心理学者のエリクソンは、人の発達段階の最初に獲得されるものは、基本的信頼感であると指摘しています。

 エリクソンによれば、0歳から2歳の乳幼児期に人が獲得するものは、基本的信頼感と基本的不信感であるといいます。基本的信頼感とは、世界や自分が信ずるに足るものであるという感覚であり、基本的不信感はこれが信じられないものであるという感覚です。

 基本的信頼感は、社会や地域の価値観に裏打ちされた親の対応によって育まれるとエリクソンは指摘しています。つまり、社会で是認され、一般的であるとされる価値観を信頼している親が、子どもを大切な存在として慈しむことによって、子どもは社会が信頼できるものであると感じると同時に、自分がこの世に存在する意味があると信じられるようになるのです。

 この時期に、基本的信頼感を育めず、基本的不信感を身に付けてしまうとどうなるでしょう。不信感が勝った子どもは、他人や社会が信じられないだけでなく、自分が存在する意味にさえ疑念を抱くことになります。

 

基本的信頼感の欠如が反日を生む

 こうして、基本的不信感を育むことになった子どもたちは、周りの人たちに不信感を抱きます。その結果、身近な人たちを信じることができません。そればかりか、日本や日本人を信じることができなくなるのです。

 一方で、彼らを利用しようとして近づいてくる人たちに対して、彼らは無防備です。なぜなら、彼らは基本的信頼感を育んでいないため、誰を信頼していいのか、誰が信頼できないかが分からないからです。

 さらに、自分が存在する意味にさえ疑念を抱いている彼らにとって、ひどい目に遭わされた人々を救うという大義は、自らの存在意義を見出すという意味において重要な目的となり得るでしょう。

 従軍慰安婦南京大虐殺の証言をする人たちは、心の琴線に触れるように、次のように語りかけたのではないでしょうか。

 

 自分たちは、筆舌に尽くしがたいほど過酷な目に遭わされた。日本軍と日本人を心の底から恨んでいる。しかし、その事実を取り上げて世に出してくれるあなたたちを恨むことはない。いや、私たちの苦しみを理解してくれ、私たちを助けてくれるあなたたちは、私たちを救ってくれる高潔な人たちだ。私たちは、同じ志を持つ仲間である。日本軍と日本を糾弾するために、共に戦い続けましょう。

 

 身近な人間関係に不信感を抱いている人が、もしこのように語りかけられたら、たちまち韓国や中国の人々の言葉を信じ、韓国人や中国人の「同胞」となって、日本を敵視するようになるでしょう。そして、日本を敵視するようになった人たちは、自らが高潔な日本人であると錯覚しながら、嬉々として日本を非難し、攻撃し続けるのです。自らの言動が日本に多大な損害を与え、韓国や中国を利することにしかならないにも拘らず。

 

 以上の検討にはわたしの推論がたくさん入っていますが、このように捉えないと、日本を貶めようとする日本人の心理が理解できないのです。

 次回は、対人不信感と全能感の関係についても触れたいと思います。(続く)