これまでのブログで、わたしたちがなぜ、危険なワクチンを打ち続けているのかを検討してきました。結局のところその理由は、科学的な分析による判断ではなく、自分たちが正しいと信じていた政策を続けていたら、いつの間にか迷路に入り込んでしまったという状況ではないでしょうか。
それでもワクチン接種を推進してきた彼らは、自らの行いを省みることなく、ひたすら接種を進めることしかできません。そして、欺瞞に欺瞞を重ねることによって、事態をいっそう深刻な状況に陥れているのです。
わたしたちは破滅に至る前に、この状況を覆すことができるのでしょうか。
ワールドカップの観客は
中東で初めての開催となるカタールでのFIFAワールドカップが、11月20日に開幕しました。これから1ヶ月間にわたって、熱い闘いが繰り広げられるわけですが、観客席を見てあることに気づきます。それはどこの国のサポーターも、誰一人としてマスクをしていないことです。マスクを付けずに、大声を出して自国を応援しているのです。
世界では、もはや新型コロナ感染症は重要な問題ではなくなっていることを現す、象徴的な映像であると言えるでしょう。
歴史的勝利を挙げた日本のサポーターは
11月23日、グループEの日本は、強豪ドイツに対して2-1で逆転勝利を収めました。戦前の予想を覆し、ワールドカップ優勝4回を誇るドイツに勝ったことは、わたしたち日本人に大きな喜びと、何ものにも代えがたい誇りをもたらしてくれました。
ところで、現地で森安ジャパンを熱狂的に応援した日本人サポーターの大部分は、他国の人たちと同じようにマスクをしていませんでした。ほんの少数のマスク姿も見られましたが、それでも日本でのスポーツ観戦のように、全員がマスク姿の光景とはまったく異なっていました。
さすが、「郷に入れば郷に従え」の精神を持つ日本人です。マスクに意味があるからしているのではなく、周りに合わせてマスクをしていたことが、はからずも明らかになりました。
彼らが帰国した際には、全員がマスクをしてスポーツ観戦をし、声を出さずに拍手だけで応援することのおかしさを、是非とも日本中に広めてもらいたいものです。
新型コロナはたちの悪い喉かぜ
なぜ世界では、コロナ騒動は収まっているのでしょうか。それは、新型コロナ感染症の致死率が低下していることによっています。
日本においても、致死率の低下は明らかです。以下は、日本における致死率の変化です。
第3波(2020年9月から2021年3月) 2.10%
第4波:アルファ波(2021年3月から同年6月) 1.71%
第5波:デルタ波(2021年6月から同年12月) 0.35%
第6波:オミクロンBA.2株(2022年1月から6月) 0.17%
第7波:オミクロンBA.5株(2022年6月から10月) 0.12%
以上のように致死率は下がり続け、オミクロンBA.5株では季節性インフルエンザと同程度になりました。
季節性インフルエンザと同程度の致死率の感染症であれば、何も特別扱いする必要はないでしょう。感染力が強いという意味では困りものですが、主な症状が高熱と咽頭痛と咳であるため、オミクロンBA.5株はたちの悪い喉かぜだと捉えることができるのではないでしょうか。
延べブースター接種率で独走する日本
それなのに日本は、4回目、5回目の接種を推し進めようとしています。世界の大部分の国は、ほとんどワクチン接種が進んでいないのにです。
以下は、人口100人当たりで何回ブースター接種が行われたかを示した、「延べブースター接種率」を現したグラフです。
『新型コロナウィルスワクチン接種率の推移【世界・国別】』より
図1
ワクチン接種先進国だったヨーロッパを尻目に、日本は延べブースター接種率で世界のトップを独走しています。
これだけブースター接種を行えば、日本の感染者数はさぞ減少しているでしょう。
ブースター接種をしていない国では感染は終息
残念ながら、新規感染者が減少するどころか、日本は第8波に突入しています。それに比べて、ブースター接種が進んでいない国では驚くべきことが起こっています。
日本経済新聞社『新型コロナウィルス感染 世界マップ』より
図2
図2は、各国の新規感染者数(正確にはPCR陽性者数)の推移です。
日本は第7波が終わったのもつかの間、もう8波に突入しています。延べブースター接種率がわずか6.4%の南アフリカ、15.9%のインドでは、オミクロン株の感染はすでに終息しています。ファイザーとモデルナの本社のあるアメリカでは、延べブースター接種率は未だ43.6%であり、やはりオミクロン株の感染はほぼ終息しています。
つまり、ブースター接種の進んでいない国々ではオミクロン株の感染は終息しており、延べブースター接種率で世界をリードしている日本では、第8波が起ころうとしていることが分かります。ワクチンの追加接種をすることで、感染状況は却って悪化しているのです。
重症者と死者を減らしている?
いやいや、ワクチンには感染予防効果はないものの重症化予防効果はあるのだという見解が、ワクチン接種を推進する人たちの論拠になっています。その意見によれば、ワクチンを接種しているからこそ重症化は防がれているのであり、オミクロン株の致死率の低下に貢献してるのだと言うのです。
ところが、ワクチンを接種するようになってから、日本の超過死亡数は増加しています。
『日本の超過および過小死亡数ダッシュボード』より
図3
超過死亡数とは、例年に比べて死亡者がどれ程増えているのかを示す数字です。図3を見ると、1,2回目のワクチン接種の開始後とブースター接種の開始後に、共に超過死亡数が増加していることが分かります。
ワクチン接種が始まる前の2020年の日本の超過死亡数は、-34,744人でした。これは例年よりも、3万4千人以上死者数が少なかったことを示しています。2020年には狭義の新型コロナ関連死が3,491人も存在したにも拘わらず、日本全体では死亡者数が減っていたという、他国では見られない現象が起こっていました。
ところが、ワクチン接種が始まった2021年1月から12月までの超過死亡数は47,481人で、2021年は一転して4万7千人以上の人が例年より多く亡くなっていました。さらに、ワクチンのブースター接種が進んだ2022年は、1月から7月までの超過死亡数は、すでに5万1,051人にのぼっています。ワクチンによって重症化が抑えられているなら、世界一ブースター接種が進んでいる日本で、例年より5万人以上の超過死亡数が出るなど、あり得ないことではないでしょうか。
破滅に突き進む日本
mRNAワクチンを接種することで却って感染が拡大し、超過死亡数が激増していることが明らかになりつつあります。そのために多くの国々では、ワクチンを追加接種しないことが主流になりつつあります。
以下は、延べブースター接種率の推移を現したグラフです。
『新型コロナウィルスワクチン接種率の推移【世界・国別】』より
図4
図4のように、多くの国々では、2022年に入ってから延べブースター接種率は伸びなくなっています。ワクチン先進国であったイスラエルやイギリスだけでなく、多くのヨーロッパ諸国、そしてアメリカでもブースター接種は進んでいません。
その中にあって、日本、台湾、韓国の東アジア3ヶ国は、延べブースター接種率が上昇しています。その中で、特に日本は上昇が顕著です。台湾と韓国の上昇が鈍化してのに比べて、日本だけが上昇が加速しているように見えます。
わたしにはこれが、決して大げさな表現ではなく、日本が破滅に向かって突き進んでいるように見えて仕方がないのです。
撃沈が分かっていても出撃した戦艦大和
現在の日本の姿は、撃沈されることが分かっていたにも拘わらず、特攻出撃した戦艦大和の姿に重なります。
太平洋戦争末期に、琉球列島に侵攻を開始したアメリカ軍に対して、日本海軍は爆弾を積んだ航空機が敵艦に体当たりする「特別攻撃」(特攻)を行いました。連合艦隊首脳部は、残された軍艦も最後の力を振り絞って敵に突撃するべきだ考え、大和を中心とした艦隊による「水上特攻」を検討するに至りました。しかし、同時の日本海軍には有効に戦える軍艦はわずかしか残されておらず、万が一にも生還を期すことのできない作戦であることを、首脳部の面々は充分に理解していました。
それにも拘わらず日本海軍の象徴であった戦艦大和は、「一億総特攻」の先駆けとして出撃することになったのです。
その結果として戦艦大和は、米軍機動部隊の猛攻撃を受けて撃沈され、護衛艦も含めれば3700名以上の人命が失われる結末に至りました。
和の規範を破ってでも
撃沈されることが分かっていたのに出撃した戦艦大和と、感染爆発と超過死亡数の激増を招くことが充分に予想されるワクチン接種を推し進めようとする厚労省には、共通する病理が存在しているように思えてなりません。
その病理とは、一緒に闘ってきた仲間たちの和を護るために、過去の方針を否定したり転換したりできなくなっていることです。状況がどんなに悪化しても、これまでの方針が間違っていたと批判することができず、そのまま破滅に向かって突き進んでしまうのです。
わたしたちに今必要なことは、科学的な見地に立ってワクチンを善とする空気を覆し、方針を180度転換することです。その対象となる空気は、厚労省に蔓延する空気だけではありません。政府の中に蔓延する空気、日本医師会に蔓延する空気、病院に蔓延する空気、学校に蔓延する空気、職場に蔓延する空気、そして家庭に蔓延する空気を一掃することが必要です。
わたしたちに、それができるでしょうか。(了)